島原城薪能 20年目を迎える「子ども狂言」稽古大詰め 10月7日披露 

狂言「茸」を指導する野村さん(左)=島原文化会館

 かつて島原藩で盛んに催された能や狂言を復活させる「第41回島原城薪能」が10月7日午後5時から、長崎県島原市城内1丁目の島原城天守閣前広場で開かれる。20年目を迎える出し物「肥前島原子ども狂言」を演じる子どもたちが27日、通し稽古に励んだ。
 肥前島原子ども狂言は、伝統文化への理解を深めようと、市と市教委が2004年から和泉流狂言師、野村万禄さん(57)を招いて毎年開催。今年の稽古は5月に始まり、4歳児から21歳の大学生まで計35人が指導を受けた。
 27日は島原文化会館で、和泉流「茸(くさびら)」や島原オリジナル「釣ろうよ」などを本番と同じ流れで演じた。野村さんは声の出し方や所作を細かくアドバイスし「今年の稽古で一番良かった」と講評。子どもたちの真剣な表情が満面の笑みに変わった。
 8歳から参加し、今回は「釣ろうよ」で太郎冠者を演じる片山真智(まさと)さん(16)=県立島原高2年=は「面白さを伝えられるよう全力で頑張りたい」と意気込んだ。野村さんは「20年にわたり子ども狂言が続いているのは全国的にまれ。島原の文化をぜひ多くのお客さんに見ていただきたい」と来場を呼びかけた。
 島原城薪能は、第1部で子ども狂言と火入れの儀、第2部で和泉流狂言「三本柱(さんぼんのはしら)」や観世流能「船弁慶(ふなべんけい)」などを上演する。無料。雨天時は島原文化会館で開催。問い合わせは主催の島原薪能振興会(電0957.62.2101)。

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