「障害者にとってすてきな乗り物」 宇大で「タンデム自転車」トークセッション

タンデム自転車を体験する原さん(写真左)=30日午後1時10分、宇都宮大陽東キャンパス内

 7月から全国の公道で走行が可能になった視覚障害者らも利用できる2人乗りの「タンデム自転車」について、一般社団法人「日本福祉のまちづくり学会」は30日、宇都宮大陽東キャンパスでトークセッションを開いた。学会員ら5人が障害者の移動手段として可能性を広げるタンデム自転車の意義や課題を語った。

 同セッションには池田宰(いけだつかさ)宇都宮大学長や、宇都宮ブリッツェンを運営するサイクルスポーツマネジメントの柿沼章(かきぬまあきら)社長ら5人が登壇した。1人で移動が困難な障害者や高齢者が、車の免許がない若者と同乗することで病院など施設を行き来する実例などを紹介し、「障害者の日常生活に可能性が広がる」と魅力を語った。一方、タンデム自転車の認知度の低さや専用駐輪場の未整備を課題に挙げた。

 持病でほぼ視力を失ったという同学会の原利明(はらとしあき)さん(59)は「障害者にとってすてきな乗り物。次世代型路面電車の停留場に設置されれば、まちづくりの活性化にもなる」と期待を込めた。

タンデム自転車を体験する原さん(写真右)=30日午後1時15分、宇都宮大陽東キャンパス内

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