オーナー制度を取り入れている武雄市若木町川内地区の棚田「タナディアンロッキー」で9月30日、オーナーによる稲刈りがあった。今年は佐賀、福岡、東京の個人や企業など21組が21区画、約70アールでオーナーになっており、この日は福岡から3組45人が参加した。
棚田保存会の向井健作会長が「ここ数年は水不足に悩んでいたが、今年はその心配もなく稲は順調に育っている」と報告。小松政市長も飛び入り参加し「川内地区の棚田米は絶品。自分で刈り取った米はさらに絶品になる」と話し、鎌を使って稲刈りを手伝った。
妻と子どもの家族6人で初めて参加した福岡市の嶋崎和規さん(36)は「会社がオーナーになると聞き参加したが、最初はどうなるのか心配だった」と話しながらも「田植えと稲刈りを体験し、米作りの苦労と大切さが分かった」と笑顔で汗をぬぐっていた。
稲刈りは9月24日から始めており、1日に終了する。刈り取った稲は保存会で脱穀し、玄米の状態で各オーナーに送る。8日正午からは、オーナーと地元住民らが収穫を祝う「棚田人音楽祭(タナディアンミュージックフェスティバル)」が、川内地区の天満宮で開かれる。(澤登滋)