三国湊オーベルジュ、町家ホテルの名称決定 福井県坂井市、北前船に由来 2024年1月後半開業目指す

改修中の町家ホテルの前で「オーベルジュほまち 三國湊」のロゴマークを手にする樋口社長=9月28日、福井県坂井市三国町神明3丁目

 福井県坂井市三国町旧市街の町家11棟をリノベーションし、オーベルジュ(宿泊機能付きレストラン)化を進める「Actibase(アクティベース)ふくい」は9月28日、町家ホテルなどの宿泊施設の名称を「オーベルジュほまち 三國湊」と発表した。北前船が出航に向く良い風を待つという意味の「帆待ち」が由来。樋口佳久社長は「町家の改修などは順調で、オーベルジュ開業はおそらく来年1月後半」と話した。

 三国町商工会館で樋口社長らが会見した。来年3月の北陸新幹線県内開業を見据える三国旧市街のオーベルジュ化は、人口減少や空き家問題など地域課題の解決策として、NTT西日本や地元企業など民間11社が取り組む「三国湊プロジェクト」の一環。

 町家ホテルは分散・滞在型宿泊施設として、フロントとなるNTT三国ビル(坂井市三国町南本町3丁目)から半径800メートル以内のエリアに、レストラン棟1棟と宿泊施設10棟が並ぶ。宿泊棟は三国湊の伝統的な建築手法「かぐら建て」などの空き家をリノベーションする。4月から改修工事が進んでいる。

 「ほまち」と平仮名表記にすることで、地域課題に柔軟に対応する「たおやかな印象を持たせた」(樋口社長)という。ロゴマークは、北前船とかぐら建てをモチーフとした紺色のアルファベット表記。10棟18室ある各室の名称も今後、決める。

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 三国町商工会館前で改修工事が進むレストラン棟は、フランス料理の巨匠、吉野建さんが料理監修することから名称は「タテルヨシノ 三國湊」に決定。三国産の海鮮や野菜や肉など県産食材を取り入れたメニューを提供する。

 フロントや接客などオーベルジュ運営は、全国で地域特性を生かしたリゾートホテルなどを展開するコアグローバルマネジメント(東京)が担当する。

 三国湊プロジェクト 北陸新幹線県内開業に向け、三国湊エリアを対象に展開する観光まちづくり事業。昨年10月、NTT西日本を主に、福井新聞社や福井銀行など11社が出資し設立した「アクティベースふくい」が取り組む。インバウンド(訪日外国人客)の誘客に加え、空き家の増加や人口減少などの課題解決を目指す。

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