豪雨時、避難どうする 大蔵・肘折、災害に備え図上検討会

避難方法などを話し合った図上検討会=大蔵村・肘折センター

 大規模洪水・土砂災害に備えようと、国土交通省新庄河川事務所と大蔵村は1日、避難方法などを確認する図上検討会を同村の肘折センターで開いた。同村肘折地区住民と弘前大、岩手大、秋田大の教員、その学生も含め約40人が参加し、非常時の行動について話し合った。

 同事務所が、土砂災害から地域住民を守るために作成を進める「まるごと里ごとハザードマップ」の取り組みの一環。同地区は2012年に県道が地滑りで崩落する事故が起きたほか、20年には豪雨で一部地域が浸水する被害があった。

 訓練は、旅館経営者と一般住民の2班に分かれて行った。7月に地区内を歩いて実施した「まちあるき点検」で出た課題の改善案や、避難方法、経路などを話し合った。参加者からは「避難所の鍵を複数の人が持った方がいいのではないか」、旅館経営者は「宿泊客の避難基準はどうすればよいか」といった声が聞かれた。

 肘折地区長の大友久士さん(60)は「今後、降水量のデータに加え、川の水位など目に見えるものなど、避難の基準作りをして安心安全なまちづくりを目指したい」と話した。同事務所と村は今回の結果を踏まえ、12月にも会合を開き、24年12月のハザードマップ完成を目指す。

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