22年度の県内観光客19.9%増 コロナ前の8割

 県は3日、2022年度に県内主要観光地を訪れた観光客数が前年度比19.9%増の3603万4300人だったと発表した。新型コロナウイルス感染拡大による落ち込みから回復傾向にあるものの、コロナ禍前の19年度と比べると約8割にとどまる。県は、コロナ禍で変化した観光ニーズにも対応し、観光復活を進める方針。

 県内358の観光地の状況をまとめた。22年度もコロナ禍だったが、全国旅行支援「やまがた旅割キャンペーン」などの観光需要喚起策や、外国人旅行者に対する水際対策の緩和などが観光回復につながった。

 22年度観光客数の内訳は、県内客が前年比15.8%増の2129万2200人、県外客が26.3%増の1474万2100人。コロナ禍で大きく落ち込んだ県外客の回復が進んだ。コロナの影響が落ち着いたこともあり、月別では全ての月で前年を上回った。やまがた旅割が始まり、水際対策が緩和された10月が最多の397万2400人で、前年度比14.5%増。前年度に本県独自の緊急事態宣言が出された4月は、44.0%の大幅増となった。

 観光地類型別では、天候不良の影響を受けた海水浴場を除く全てで前年度より増加した。観光果樹園や産直施設などを含む「その他」が1197万4千人で最多となり、道の駅が834万6千人、温泉が758万8千人と続いた。

 県観光復活推進課は「今年4月以降も回復基調は続いているが、人手不足や原油価格の高騰などの課題にも直面している」と分析。観光事業者のDX(デジタルトランスフォーメーション)や高付加価値化への支援を続け、団体旅行から個人旅行へのシフトや、好みの多様化といった変化への対応を進めていく。

外国人旅行者の受け入れ3倍超

 県は3日、2022年の外国人旅行者県内受け入れ実績調査の確定値を発表した。延べ人数は5万6051人で前年比3倍超。6月に速報値を発表している。

 従業員10人以上の施設の宿泊者と、県内114カ所の観光施設への立ち寄り客を集計した。国・地域別では多い順に▽中国6781人▽台湾6321人▽タイ4930人▽香港4852人―などとなった。

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