カーボンニュートラル実現へ現状共有 県会合で業界代表委員ら報告

CN実現へ課題などを共有する各界代表者ら=3日午前、県公館

 温室効果ガス排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラル(CN)の2050年実現を目指し、県は3日、各界代表の意見を聞く「とちぎCN実現会議」(会長・福田富一(ふくだとみかず)知事)の会合を県公館で開いた。

 同会議は21年に発足。この日は経済団体や交通、電気、ガス業界などを代表する委員ら約20人が出席した。福田知事は「今年は観測史上最も暑い夏で『地球沸騰化』の言葉も生まれた。気候変動対策は喫緊の課題だ」とあいさつした。

 委員らは県が策定したCN実現に関するロードマップ(行程表)の進捗(しんちょく)状況を共有。県内の温室効果ガス排出量を30年度に973万トン(13年度比50%減)まで減らす中間目標について、現状のペースでは200万トンほど足りず、今後は家庭と交通分野の対策を強化する必要性などを確認した。

 委員らは各業界の現状や課題を報告。太陽光発電や電気自動車(EV)の設備投資が進む中、事業者の負担軽減を求める意見が出た。また太陽光発電設備の普及で将来的な廃棄物の増加を不安視する声や、サプライチェーン(供給網)全体で脱炭素化の動きが広がる中、中小企業の負担増を懸念する声も上がった。

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