不登校、いじめ過去最多 22年度の富山県内

 富山県内の小中高と特別支援学校で、2022年度に不登校だった児童生徒の人数は2675人、認知したいじめの件数は1963件で、ともに現在の統計方法となった14年度以降で最多だった。近年は増加傾向が続いており、県教委の担当者は「スクールカウンセラーやソーシャルワーカーら専門家と協力し、子ども一人一人の実情に合わせて対応する必要がある」と述べた。

 県教委と県が4日、文部科学省による22年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の県分を公表した。

 不登校の内訳は、小学校が856人(前年度725人)、中学校が1336人(同1112人)、高校が483人(同419人)だった。総数は15年度から増加傾向にあり、小、中学校は過去最多だった。

 県教委の担当者は児童生徒で事情が異なり、年齢層の違いもあるため、不登校の要因を断定することは難しいとした上で「子どもの様子に気を配り、早期に対応するほか、フリースクールなど民間と連携し、居場所づくりに努める」とした。

 いじめの認知件数は、小学校で1107件(前年度841件)、中学校で693件(同612件)、高校は131件(同69件)、特別支援学校は32件(同17件)だった。いじめの総数は20年度から増え続けており、小、中学校と特別支援学校が過去最多だった。

 県教委は、学校生活が活発化する中、児童生徒が接触する機会が増えたことが影響したとみており、担当者は「いじめの認知に積極的に取り組んだ結果とも言える。把握した事案についてしっかり対応することが重要だ」と力を込めた。高校中退者は247人(同196人)だった。

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