新県立新庄病院、外来診療始まる 地域救命救急センターの夜間診療も、1階に図書室と売店

子ども向けの絵本や図鑑、小説などが並ぶ患者向けの図書室=新庄市・県立新庄病院

 新庄市金沢の国道13号沿いに移転開院した県立新庄病院(八戸茂美院長)は4日、外来診療を始めた。新庄市夜間休日診療所の機能を引き継いだ地域救命救急センターの夜間診療も同日から始まり、新病院の業務が全面的に動き出した。

 同病院によると、初日の外来診療の予約は約520人で、通常のペースだったという。総合受付はスタッフを増員して対応し、外来患者の流れは円滑だった。

 地域救命救急センターの夜間休日診療では、新庄市最上郡医師会が医師1人を派遣して軽症患者を診察し、病院医師は重症・救急搬送患者を診る。診察時間は平日夜間(月―土曜)が午後7~9時、休日(日曜祝日と年末年始)が午前9時~午後5時となる。

 入院患者の癒やしの場となる図書室と売店も1階にオープンした。

 図書室は新庄市立図書館の指定管理者である「とらいあ」(本沢昌紀代表理事)が業務委託を受けて運営する。蔵書は子ども向けの絵本や図鑑、小説、文庫本、医療福祉の専門書、病院職員が寄贈した漫画など約1500冊をそろえる。当面は入院患者を対象に1回5冊まで10日間貸し出す。貸し出し手続きは平日午前9時~午後5時。とらいあは今後、小児病棟で読み聞かせも行う予定。

 売店「Yショップ」は旧病院と同様に新庄市身体障害者福祉協会(中部道子会長)が経営し、身体障害者3人と健常者7人が働く。店舗面積は約46平方メートル。入院時に必要な生活雑貨などを充実させ、車いすでも買いやすいよう陳列棚を低くした。同協会の渡辺千賀子事務局長は「ほっと一息つける空間を目指したい」と話す。営業時間は平日午前8時~午後6時、土日祝日午前10時~午後3時。

新庄市身体障害者福祉協会が経営する病院売店「Yショップ」

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