長崎大・経済学部移転 「まだ白紙」 永安学長が就任会見

就任会見で経済学部の移転や抱負を語る永安学長=長崎市文教町、長崎大

 長崎大の永安武学長(61)は4日、長崎市内で就任会見を開き、河野茂前学長が7月に示していた経済学部を片淵キャンパス(同市片淵4丁目)から文教キャンパス(同市文教町)に移転させる考え方について「大きな選択肢の一つ」としながらも「まだ何も決まっていない。白紙」との考えを示した。
 永安学長は経済学部など人文社会学系の学部が「生き残るために(移転は)有効」と述べた上で「移転が必要かどうかの学内での整理が必要。地域の方々のいろんな思いもある」と語った。河野氏が「スピード感を持って検討する」と述べていた点については「いつまでにということは考えていない。ただ何もしないわけではない。調査を進め、意見を聞いていく」と話した。
 同学部など3学部の移転を巡っては当初、長崎港沿いの県営駐車場(同市常盤町)を候補地に検討。だが人口減少が急速に進む中、少なくとも10年先となる移転は運営リスクが大きいとして6月に断念。河野氏は7月に経済学部の移転と片淵キャンパスの売却検討を明らかにしていた。
 永安学長は1日付で就任。「人材育成と研究力のアップを目指す。グローバルとローカルな視点に基づいた課題解決型の人材育成、地域の振興、世界的な産業の発展にも貢献できるような研究力向上に努めていきたい」と抱負を述べた。

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