店側も悲鳴「異常事態」1ドル=150円で肉が高い 止まらない円安の波 お正月を彩る食事にも影響=静岡

円相場がおよそ1年ぶりに150円台を記録しました。止まらない円安の波は静岡県内でも様々なところに影響を与えていて、その余波は、あの食材にも・・・。

【写真を見る】店側も悲鳴「異常事態」1ドル=150円で肉が高い 止まらない円安の波 お正月を彩る食事にも影響=静岡

静岡市葵区で肉料理をメインに扱う「金とき」。一番人気は牛肉のハラミステーキです。

<杉本真子アナウンサー>
「いただきます。お肉凄くやわらかいです。味もしっかりしていますし、非常に肉肉しいジューシーな感じがします」

ステーキだけでなく、生姜焼きや鶏のから揚げなど、さまざまな肉料理がリーズナブルに食べられるということで人気の店ですが、継続的な円安の影響を大きく受けているといいます。

<金とき若松町本店 佐藤拓美店長>
Q.お店として円安の影響は?
「受けてますね。コロナが始まってから円安が進んできて、お肉の値段としては牛肉は3倍から4倍くらい」

こちらのお店で扱っているのは輸入された肉。牛肉に限らず豚肉や鶏肉もコロナ禍以降、平均で1.5倍ほど値上がりしているといいます。

<金とき若松町本店 佐藤拓美店長>
「今年になって2回値上げしているので、それも異常事態。前までは数年に1回とか。値上げしたとしても。本当にもう、キツイとしかいようがないですよね」

飲食店を苦しめる円安。ここ1年の為替相場の動きをみると、2022年10月に1ドル=150円台に達した後、一旦落ち着きを見せましたが、2023年10月3日、およそ1年ぶりに一時150円台の大台を記録しました。

止まらない円安は、私たちの家計にも大きなダメージを与えます。

<田子重西中原店 増田克己店長>
「例えばこちらのバナナでしたら、以前は100円ぐらいだったものが今は128円(税抜)」

価格に大きく反映されていたのがフルーツです。バナナを筆頭に輸入品が多いため、軒並み仕入れ値が高騰し、ここ1年で2割ほど価格が上昇。この流れはさらに加速する懸念があるそうです。

<田子重西中原店 増田克己店長>
「今回の円安が(仕入れ値に)影響を受けるのが1~2か月後になるので、値上がりする可能性がこのまま続くとある」

食材の高騰は加工食品の価格にも反映されることになります。

<杉本真子アナウンサー>
「円安の影響はお正月に欠かせない『おせち』にも出ています」

<松坂屋静岡店 木庭英之さん>
Q.おせち価格は例年と比べてどうか?
「全体で5~10%ほど値上がりしている」

おせちに使用されている海産物をはじめとする輸入食材が最大で10%ほど、仕入れ値が上がっていて、価格に反映せざるを得ない状況だといいます。

記録的な円安はどこまで続くのか。先の見えない状況に、しばらく消費者は振り回されそうです。

気になるのは今後の円相場の行方です。静岡経済研究所の恒友仁専務理事によりますと日本とアメリカの金利差が縮まる見通しはなく、「年内は円安基調は変わらないのでは」ということです。

一方、円安による別の効果を指摘する声もあります。

松坂屋静岡店の木庭英之さんは「円安の影響で海外旅行を控え、年末年始は国内で贅沢をしたいという人がいれば、売り上げが増える期待もある」と話しています。

© 静岡放送株式会社