「オール長崎」で金融教育 長崎県内60団体が協議会設立 県や県教委とも連携 高校に講師派遣へ

「オール長崎」での金融教育をアピールする山川会長(左から3人目)ら協議会の関係者=県庁

 金融の知識や判断力を指す「金融リテラシー」の向上を目指して、長崎県内の金融機関など計60団体が、協議会を設立した。県や県教委とも連携し、銀行や生命保険会社が行員・社員を講師として県内の高校に派遣。資産形成やライフプランニングについての出前授業をする。「官・学・金」が一体となった金融教育は全国でも珍しいという。
 2022年度からの成人年齢引き下げや高校での金融教育必修化を背景に、近年は銀行や企業が高校などで出前授業をするケースが増えている。ただ、個別の取り組みでは対応できる学校数に限りがあり、教材や授業内容も統一されていないなどの課題があった。
 昨年の金融広報中央委員会(事務局・日銀)の調査によると、本県の18歳以上の金融リテラシーは全国ワースト5位にとどまる。こうしたことから、今年5月の県金融広報委員会の総会で、関係機関が金融教育で連携する提案があった。県内に支店を置く全ての銀行や証券会社、生命保険会社などに呼びかけ、賛同した企業・団体で協議会を設立。日銀長崎支店と長崎財務事務所も参画した。
 協議会の名称は「ALL長崎 金融リテラシー向上プロジェクト推進協議会」。官学金一体となった取り組みであることに加え「子どもたち一人残らず金融教育を」との意味も込めた。
 既に教材を作成し、6日から順次講師を派遣する。事務局の長崎銀行協会の山川信彦会長(十八親和銀行頭取)らが5日、県庁で会見。山川会長は「このプロジェクトを長崎モデルとなるようにオール長崎で盛り上げていきたい」と抱負を述べた。大石賢吾知事は「金融のプロフェッショナルの方々が、熱意を持って本県の高校生の教育に尽力してくれることに感謝したい」と歓迎した。

© 株式会社長崎新聞社