初出場で初得点!浦和・エカニットが埼スタで鮮烈デビュー ACLでは“3点目”に 発破かけた興梠も「まさか」

ハノイ戦で浦和加入後、初ゴールを決めて喜ぶエカニット(左)=4日、埼玉スタジアム

 浦和初のタイ人選手エカニットが4日のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)のハノイ(ベトナム)戦で、来日初出場初ゴールと活躍した。「チャンスを与えてくれていい経験になった。試合に出られて結果も残せたことは、今後につながる」と笑顔がはじけた。

 5―0と勝利を決定づけた直後の後半28分に高橋との交代でピッチに投入された。トップ下に位置取ると、積極的な攻撃姿勢が幸運を呼び込んだ。大畑が放ったシュートのこぼれ球が足元に転がってきた。「流れの中でくるかもしれないと頭の中にはあった。無心で足を振った」と冷静に右隅に蹴り込んだ。

 ゴール直後に両手を広げ喜ぶと、すぐに大畑の元に駆け寄り抱擁。チームメートに合掌をつくりお辞儀するなど、タイ人らしい表現で感謝を伝えた。得点した本人以上に喜んでいたのは、同じタイミングでピッチに入った興梠だった。

 興梠は「入る前に全部おまえを見るから決めてこいとは言ったが、まさか点を決めるとは思わなかった」と苦笑い。エカニットをフリーにするために、スペースを与える動きに終始した興梠。アシストできなかったことを悔やむなど、異国の地で励む23歳の若者を強烈にサポートした。

 日本では初出場となったエカニットだが、ACLはチェンライユナイテッド(タイ)所属時に続き3度目の出場となる。「3大会とも1ゴールを決めていて、今回で3ゴール目」と同大会との相性の良さを示した。スコルジャ監督も「一歩ずつ準備を進め、Jリーグでもプレーできるようにしたい」と期待を懸ける。

 愛称は母親から名付けられた「ブック」。まだ日本のサッカーと文化に順応中だが、チームメートたちに支えられ成長を続ける。浦和と提携するムアントン(タイ)からの“お客さま”では終わらない。背番号27の次の目標はリーグデビューた。

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