獅子舞の助っ人は園児 羽咋・千田小中学生足りず 8日、秋祭りでデビュー

獅子舞デビューに向け、元気に練習する園児たち=羽咋市千田町

 8日に羽咋市千田町で行われる諏訪神社の秋祭りで、地元の園児5人が獅子舞デビューを果たす。少子化によって担い手である20代、30代が不足し、小中学生を加えても十分な人数が確保できない現状に町会側が保護者に参加を打診し、快諾を得た。伝統存続の危機を救った園児たちは、コロナ禍から4年ぶりとなる獅子舞でみんなを元気づけようと練習を重ね、本番に臨む。

 獅子舞に参加するのは西部真穂ちゃん(6)と真悠ちゃん(4)姉妹、吉岡柚乃(ゆずの)ちゃん(5)と壱城(いつき)ちゃん(4)姉弟(きょうだい)、野崎那々未ちゃん(5)の5人。

 9月末から毎晩、千田会館で大人や小中学生に交じって1時間ほどの練習に励んできた。5人とも小獅子の蚊帳の中の舞い手を受け持ち、鉦(かね)と太鼓に合わせて足を上げたり、体の向きを変えたり。柚乃ちゃんは「みんなでやるのが楽しい」と笑顔を見せる。

 西部芳和町会長(65)によると、千田町の獅子舞は富山県の獅子舞などを参考に50年ほど前に作られた。天狗(てんぐ)、獅子頭、蚊帳の中の役があり、大獅子、小獅子とも舞い手は最低6人必要。

 毎年の秋祭りで神輿(みこし)とともに巡行し町内を活気づけてきたが、少子化や町外転出者の増加で1990年代に一度中断。2004年に復活してからは小学生や50代、60代を含めて何とか伝統を守ってきた。

 ただ、今年は小獅子を回す小中学生が3人しかおらず、急遽(きゅうきょ)園児に参加を呼び掛けることになった。

 園児加入を発案した獅子舞実行委員長の北江克伸さん(59)は「まだまだ獅子舞のさまにはなっていないが、まずはやってみることが大事。来年、再来年と続けてくれればいい」と期待を示した。

 10日間ほどの特訓を終え「本番でもうまくやれるよう頑張る」と声をそろえた園児たち。西部町会長は「子どもたちのほほ笑ましい獅子舞を見てもらうのが楽しみ」と目を細めた。

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