【動画】<カメラスケッチ>闇夜に浮かぶ浮立面 香椎神社(佐賀市)奉納へ練習追い込み

照明の下で、シャグマをなびかせながら力強く踊る面浮立の踊り手たち=佐賀市久保田町横江地区

 軽快な笛やかねの音が響き、漆黒の面をかぶった踊り手たちの舞が暗闇に浮かび上がる。15日に佐賀市久保田町の香椎神社である大例祭に向け、同町横江地区の住民が奉納する面浮立の練習が追い込みに入っている。面から伸びた長いシャグマが照明を受けて銀色に輝き、踊りに合わせて大きくなびく。

 同地区の面浮立は約120年前に、長崎県高来町湯江(現諫早市)から伝わったとされる。例祭には町内の地区が輪番で浮立やかね、太鼓などを奉納している。通常なら4年ごとに回ってくるが、新型コロナ禍による中止を挟んだため横江地区は6年ぶりの奉納となる。

 塚原勝則自治会長(63)は「久しぶりの奉納になるが、伝統を絶やさないよう、そして久保田の住民の安全や五穀豊穣(ほうじょう)を願って、しっかり踊りたい」と力を込める。(写真と文・山田宏一郎)

© 株式会社佐賀新聞社