酒田のラーメン、ぶっちぎりの初代王者 日本ご当地ラーメン総選挙・SNS発信「思い伝わった」

極薄ワンタンが特徴の酒田のラーメン

 「酒田のラーメン」が、日本ご当地ラーメン総選挙(5~9日、東京)で初代王者に輝いた。「酒田のラーメンを考える会」(会長・斎藤直(たかし)満月代表)と酒田市がタッグを組んで組織戦を展開し、2位以下に圧倒的な差を付けて勝利。地域に根差した食文化をPRする文化庁の「100年フード」にも選出されており、追い風が吹いている。

 総選挙は「ご当地ラーメン」に焦点を当て、日本ラーメン協会などでつくる実行委員会が企画した。全国7ブロックのウェブ予選が行われ、魚介系スープと極薄ワンタンが特徴の酒田のラーメンは東北1位となった。

 本選は札幌ラーメン(北海道)や博多ラーメン(福岡県)など全国10店舗が集結。会場での投票、同協会による抜き打ちの衛生管理チェック、公式X(旧ツイッター)でアップされた紹介記事の閲覧数で総合的に評価した。酒田のラーメンを考える会は市の強力なバックアップを受け、加盟各店や市の公式SNSで発信し、閲覧数を増やした。酒田舞娘や市公認キャラクター「あののん」も応援に駆けつけた。

 結果は9日夜に会場で発表され、オンラインでも中継された。総合得点は1万440点。優勝が分かると関係者から歓声が上がり、斎藤会長は感極まって涙ぐんだ。「酒田のラーメンを全国に伝えたいという思いでやってきた。多くの人が酒田に足を運ぶきっかけになればうれしい」と斎藤会長。2位は札幌ラーメン(6517点)、3位は甲州地どりラーメン(5951点)だった。矢口明子市長は10日、「名誉を一過性のもので終わらせることなく、食をテーマにした観光誘客を進めていく」とコメントを発表した。

優勝トロフィーを手に記念撮影する「酒田のラーメンを考える会」の斎藤直会長(前列中央)=東京・新宿区立大久保公園

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