山形グランドホテル、12時間超停電 屋外のケーブル劣化か

停電が発生した山形グランドホテル=9日午前9時10分、山形市本町1丁目

 山形市本町1丁目の山形グランドホテルで9日午前2時40分ごろ、停電が発生し、12時間以上続いた。電線からホテルに電力を送る屋外の高圧線ケーブルが劣化していたことが原因とみられる。非常用電源で客室の照明はついたが、ロビーなどの館内照明は点灯せず、一部のコンセントは使えなくなった。当時、宿泊客は約160人で、同日はレストランのランチ営業を中止した。

 ホテルによると、高圧線ケーブルはホテル西側にある電柱上の設備とつながっており、劣化で一部が破損した。ホテルが管理し、月に一度点検を行っていたという。

 停電後すぐに、非常用発電に切り替えたが、施設内の一部のコンセントやトイレが使用できなくなった。客室照明や自動ドア、エレベーターの利用に問題はなかった。ケーブルなどを交換し、同日午後3時25分ごろ復旧した。

 観光のため、家族で8日から滞在していた東京都の40代男性会社員は「夜中にテレビを見ていたら、いきなり電気が落ちた。日本のホテルでこんな停電は初めてだ」と驚いていた。

 停電の影響で、第48回県総合書道展の授賞式の会場が、同ホテルから山形美術館に変更されるなど、催事にも影響が出た。ホテル内にある山形新聞社のデジタル発信拠点「街なかメタベース」も、復旧まで運営できなかった。浦山英之総支配人は「多くの利用者にご迷惑をおかけし、申し訳ない。今後は設備のメンテナンスを徹底する」と話した。

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