「東海地区にタイトル持って帰る」7年前に公言した藤井聡太七冠 全タイトル獲得で“八冠”なるか 

将棋の藤井聡太七冠が史上初の八冠独占をかけて、京都で王座戦五番勝負の第4局に挑んでいます。

21歳の天才が「歴史を変える日」となるでしょうか。

10月11日午前9時、京都市内のホテル。

愛知県瀬戸市出身の藤井七冠が永瀬拓矢王座(31)に挑戦する王座戦五番勝負の第4局が始まりました。

「王座」は藤井七冠が唯一保持していないタイトルで、藤井七冠はここまで2勝1敗。

11日に勝てば前人未到の8大タイトル独占です。

(当時14歳の藤井聡太七冠)
「皆さんにこうして祝っていただいて、本当にプロになったことを実感しています」

2016年、史上最年少14歳2か月でプロ棋士になった藤井聡太・当時四段の祝賀会。

(当時14歳の藤井七冠)
「東海地区にタイトルを持って帰る。ぜひそれを一刻も早く実現できるように日々精進していきたいと思います」

その言葉通り、最年少記録を次々と塗り替えていきます。

プロ入り後、4年後に「棋聖」「王位」のタイトルを獲得。その後も「叡王」「竜王」、「王将」と10代で五冠を達成しました。

今年に入り「棋王」そして、念願の「名人」も獲得。プロ入り後たった7年間で、7つのタイトルを獲得してきた藤井七冠。

(藤井七冠)
「(八冠に)挑戦できることは、貴重な機会だと思うので、しっかり全力を尽くしたい」

永瀬王座は藤井七冠のプロデビュー以来の“パートナー”

対する永瀬王座は、今回防衛すれば史上3人目の「名誉王座」の永世称号を獲得。

この第4局で再び2勝2敗のタイに戻して、最終局まで持ち込みたいところです。

永瀬王座は、藤井七冠がプロデビューして以来、練習将棋で対局を重ねてきた勝手知ったる、いわば”パートナー”です。

その関係性ができたのは、インターネット番組の企画での対局がきっかけでした。

当時、藤井七冠はプロデビューしたばかり。

将棋に対するストイックな姿勢から「軍曹」の異名を持つ永瀬王座との顔合わせの瞬間は。

重い空気が流れ、見ている方が緊張します。

この対局では、自らのミスに気づいた藤井七冠が今ではあまり見られないこんな悔しそうな表情も…この時の対局では、永瀬王座が勝ちました。

(藤井七冠)
「永瀬先生は大変強いので、教われたことは光栄。これからも同じ気持ちで戦っていきたい」

その後、永瀬王座が藤井七冠に声をかけ、練習将棋を重ねる関係になった2人。タイトル戦で対決するのは去年の棋聖戦以来、今回が2回目です。

(藤井七冠)
「少しでも成長したところを見せられればと思っている」
(永瀬王座)
「実績と勢いと実力を兼ね備えている藤井七冠でとても厳しいとは思うが、皆様に良い将棋をお見せできればと思っている」

藤井七冠が史上初の八冠制覇か、永瀬王座が望みをつなぐか。

(大石邦彦アンカーマン)
「京都に来ています。我々は歴史的瞬間を目の当たりにするのでしょうか。こちら、王座戦第4局が行われていますウェスティン都ホテルです」

歴史が変わる瞬間を見るために、対局場となったホテルには、多くのファンが。

(神戸からのファン)
「(藤井七冠が)時間を使われているので、電車の中でも心臓が痛い思いをしながら来た。親戚か子か孫のような」
(埼玉からのファン)
「今まで逆転というか最後の最後でひっくり返しているので、きょう(11日)もそういうことがあるのではないかと期待している」

世紀の大一番は11日夜、勝敗が決まります。

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