大分県内の高校生4人、海岸のガラス片で作ったバッジ商品化 「ゴミ削減に関心を持って」【大分県】

海岸で拾ったシーグラスでバッジを作成した岡部朱里さん(中央)ら=県庁
海岸で拾ったシーグラスで作成したバッジ

 県内の高校生4人が大分市内の海岸で拾ったガラス片「シーグラス」で作ったバッジが完成した。多くの人に海洋ゴミの削減に関心を持ってもらう取り組み。同市内の企業が協力し、今月から販売する。高校生は「ゴミ回収のボランティアに参加するきっかけになれば」と期待する。

 県内の高校生約40人が数人に分かれ、宇宙科学技術や脱炭素、人工知能などのテーマを深掘りする、県教委のSTEAM(スティーム)課題研究特別講座の一環。バッジはリーダーの岡部朱里(あかり)さん(大分南3年)と大分工業、竹田、三重総合の2、3年生4人でつくるチーム「オーシャン プロジェクト」が考案した。

 4人は昨年9月に大分市佐賀関の海岸でゴミ拾いをした際、砂浜にガラスが波で削れ、丸みを帯びたシーグラスを見つけた。岡部さんは「手に取るまで何十年も波や砂に削られてシーグラスになったことに感動し、何か利用できないかと考えた」と説明する。

 集めた約360個のシーグラスは、テントやシート製造の佐藤防水店(西新地)が洗浄後に数個ずつ接着し、樹脂でのコーティングやピン付けを施して直径3センチ前後のバッジに仕上げた。緑や青、白色などカラフルなバッジは1個税込み2200円。生石にある同社直営店「Re―sew(リソー)」で販売する。

 スティーム課題研究特別講座は、先端科学技術分野で活躍できる次世代人材の育成を目指して2021年度から始まった。商品化したのは初めて。

<メモ>

 県の調査(2019年)によると、県内の海岸に漂着したプラスチックやガラスなどの人工ゴミは約2636立方メートルと推計されている。2リットルのレジ袋に換算すると約132万枚分になる。

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