県発明くふう展で3年連続最高賞 山形大付小5年・富樫さん、今年は「楽々水平器」

3年連続で最高賞の県知事賞となり、受賞作品を紹介する富樫あかりさん=山形市霞城公民館

 山形大付属小5年の富樫あかりさん(11)=山形市=が、県発明協会(木村一義会長)などが開く第58回県発明くふう展で、最高賞の県知事賞に3年連続で輝く快挙を達成した。今回の受賞に「発明を通して諦めずに工夫する気持ちや、感謝の気持ちを持てるようになった」と話す富樫さん。「これからも人の役に立つ発明に挑戦したい」とますます意欲を燃やしている。

 富樫さんは、兄で今回は東北経済産業局長賞を受けた晃仁さん(14)=山形大付属中2年=の影響で、同市青田南で活動する山形少年少女発明クラブに小学2年時から通う。この年は新型コロナウイルス禍でマスク不足が話題となり「マスク乾燥機」作りに挑んだ。同展で発明協会会長奨励賞を受けた。発明には命を守ったり困りごとを解決したりする力があると実感し、魅力にのめり込んだ。

 アイデアは、学校や家で過ごす時間など、何げない日々の一場面から生まれるという。これを基に、発明クラブ指導員や兄からも助言を受けて取り組む。

 県知事賞1回目は3年生の時。新聞などで高齢者の運転ミスが社会問題となっていることを知り、車のアクセルとブレーキの踏み間違いを防ぐための装置を、センサーなどを使い製作。4年生時は、自宅近くの道路の危険解消を考え、死角から近づく車を光と音で知らせる標識を作った。

 3回目の今回は「光と音で共有!どんな物でも楽々水平器」。コロナ禍で習い事がリモート参加になった経験から、リモート用のカメラを「簡単に水平にしたい」と考えた。食塩水を入れたU字型のチューブの両端から電源とつないだ針金を入れ、水平になると両針金が食塩水に触れ電気が流れる。電気が流れるとランプが点灯し、録音した「水平です」の音声が流れる。

 県知事賞を受けたのは2人で、15日に同市総合福祉センターで行われた表彰式で富樫さんは、各賞の受賞者を代表し謝辞を述べた。富樫さんは「他の作品には自分にはないアイデアがたくさんあって勉強になる」と好奇心は尽きない様子。「もっと多くの人に発明に挑戦してほしい」とも話し笑顔を見せた。展示は14、15両日、同市の霞城公民館で開かれた。上位作品は、「全日本学生児童発明くふう展」に出品される。

© 株式会社山形新聞社