宇佐市が育休取得の男性に奨励金 大分県内自治体で初「積極的に活用を」【大分県】

会計事務所で働く小若女雅之さん(右)。職場の理解や奨励金制度が育休取得の後押しになった=宇佐市四日市
椰杜ちゃんを抱く小若女雅之さん。「同世代の男性にも育休を取ってほしい」=宇佐市閤

 【宇佐】宇佐市は子育て参加を後押しするため、育児休業を取得した男性に奨励金を支給している。本年度から設けた県内の自治体で初めての制度。1日当たり5千円、上限は10万円(20日分)。「積極的に活用してほしい」と呼びかけている。

 男性の従業員が育休(連続5日間以上)を取得すると、国は事業所に補助金を出している。従業員には男女を問わず雇用保険から助成する制度がある。

 宇佐市は従業員への独自の経済支援策で取得を促そうと、新たな制度を設けた。支給は市内在住で連続5日間以上の育休取得者が対象。制度は子どもが1歳2カ月になるまで利用できる。これまでに8人が申請(10日時点)した。

 おもと会計事務所(市内四日市)に勤務する小若女(こわかめ)雅之さん(20)=市内閣=は昨年10月、長男の梛杜(なぎと)ちゃんが生まれた。妻が産休・育休から職場復帰する時期に合わせ、6月に10日間の育休を取った。市の奨励金も申請した。

 育休取得には「会社に迷惑がかかるのでは」と不安もあった。職場の理解に加え、奨励金制度も「経済的に助かる」と後押しになったという。

 育休中は保育園の送り迎えや食事の用意など家事全般をこなした。「自分が育休を取ったことに驚く友人もいたが、周囲の同世代にも取得の動きが広がれば」と小若女さん。

 奨励金制度は市が昨年、宇佐商工会議所など関係団体と結んだ「ベビーファーストのまちづくり」を進める包括連携協定の一環。

 市子育て支援課は「父親の育児参加は家庭生活の充実につながる。今後も夫婦で子育てしやすい環境づくりに取り組む」と話す。

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