医薬品不足が深刻…その背景は? インフルエンザの感染拡大の中、改善の見通し立たず

先週、静岡県内で4シーズンぶりにインフルエンザの感染状況が注意報レベルに達したと発表されました。

そんな中、医療現場からは薬不足を心配する声が上がっています。その背景は?

県によりますと、10月2日からの1週間で、1定点医療機関あたりのインフルエンザの患者数が10.08人となり、注意報レベルの基準の「10人」を超えたと発表しました。注意報レベルに達するのは4シーズンぶりで、10月初旬での注意報入りはデータが残る2006年以降、最も早い記録だということです。

(東静岡クリニック 白川京佐 院長)

「(インフルエンザ患者は)例年この時期はまだそんなに多くはない。今年は9月から10月にかけて、インフルエンザA型の患者が増えてきている」「流行しているのは若い年代」

気温も低下しはじめ、さらなるインフルエンザの感染拡大が懸念される中、深刻化している問題があります。それは、薬不足。

感染症が拡大する一方、医薬品メーカーによるジェネリック薬品の製造工程で不正発覚が相次ぎ、メーカーが業務停止や業務改善などの行政処分を受けたことで、薬の製造がストップしてしまっていることが原因としてあげられています。

こちらの薬局では、一部の薬が入手も厳しい状況となっています。

(石川薬局ゼフィルス店 石川友康 管理薬剤師)

「医療用医薬品、医者が処方箋を出す薬が不足している。特にインフルエンザやコロナで必要となる咳止めや去痰薬が不足している」「ものにもよるが、全くめどが立たないものもあるので苦労している」

この医薬品が不足する事態に、薬局ではどう対応しているのでしょうか。

(石川薬局ゼフィルス店 石川友康 管理薬剤師)

「必要な薬がない場合は、チェーン店の店舗間で共有したり、ほかの薬局に小分けで分けてもらう。処方医に連絡して患者の同意を得て、似た効能のものにかえている」

一方で、市販薬にも薬不足の状況はあるのでしょうか。

(石川薬局ゼフィルス店 石川友康 管理薬剤師)

「軽微な症状であれば、市販風邪薬の不足はほとんどないため、そちらで対応してほしい。重症化するケースもあるため、専門家の意見も聞きながら上手に活用してほしい」

薬局の話では、この医療用医薬品の不足の状況は、いつ改善されるのか見通しは立っていないということです。まずは日ごろの感染対策を万全に行っていくことが求められます。

© 株式会社静岡第一テレビ