“世界で最もエコ”な英3部クラブ、最新ユニは反捕鯨団体「シー・シェパード」が胸ロゴに

環境問題への取り組みが称賛され「世界で最もエコなサッカーチーム」と呼ばれるイングランドのフォレスト・グリーン・ローヴァーズ(FGR)。

今季は3部リーグ相当のEFLリーグ1に所属するこのクラブが9月29日に発表した最新のサードユニフォームは、環境保護団体「Sea Shepherd(シー・シェパード)」の胸ロゴが注目を浴びている。

反捕鯨を掲げるこの団体は、日本の調査捕鯨船に度々攻撃を仕掛けることで有名だ。

Forest Green Rovers 2023-24 Umbro Third

フォレスト・グリーン・ローヴァーズ 2023-24 Umbro サード ユニフォーム

23-24新サードユニフォームは、レギュラーの胸スポンサー企業の代わりに鎮座するシー・シェパードのロゴマークが異彩を放つデザイン。サードの同団体のロゴは2季連続となる。

キットサプライヤーは環境問題への取り組みが注目される新興ブランドPlayerLayerから、イングランドの名門ブランドUmbroに変更となった。

パンツとソックスもシャツと同じカラーリングで、パンツにも大胆な模様を配する。

太陽光発電でスタジアム内に電力の一部を供給し、ピッチの芝管理も殺虫剤などは使用せずに有機肥料が中心。スタジアム内のグルメは全てビーガン食など、エコへの取り組みで注目されるFGR。

環境問題への理念を掲げるクラブだけに環境保護団体とのつながりはある意味で必然だが、パートナーのシー・シェパードはその手荒なやり方が非難の対象となることも多く、「環境保護団体」「エコテロリスト」「海賊」など、人によってその評価は完全に異なる。なぜFGRはこの団体と手を組むのか。

この2つのユニフォームは今季のホーム(グリーン)とアウェイ。非常にビビッドな色使いだが、FGRは昔からこのようなキットカラーだったわけではない。

2010-11シーズンに胸スポンサーがエネルギー関連企業「ecotricity」に変わると、それまでの白黒縦じまデザインからグリーンへキットカラーを変更。この色は「ecotricity」のコーポレートカラーだった。クラブがエコ路線をスタートしたのもこの時期からだ。

そしてほぼ同時にクラブの会長に就任したのが、同社の社長(当時)だったデール・ヴィンス現会長である。

この会長こそがシー・シェパード(正確には団体のイギリス支部)の熱心な後援者だ。同団体とは数年前からの関係で、ビジネスパートナーではなくチャリティパートナー。胸ロゴも営利目的ではない。

このユニフォームデザインも、同団体が保有する船のダズル迷彩柄をモチーフにしたものと思われる。

サードユニフォームの収益の一部は海洋保護のために寄付されるとのことだが、その寄付先はおそらくシー・シェパードだろう。

過去にもユニフォームの売り上げを寄付している“実績”があり、ある意味では同団体のPRと寄付のためにサードユニフォームが存在するとも解釈できるのだ。

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シー・シェパードの胸ロゴを付けた23-24サードユニフォームは、クラブ公式オンラインストアやUmbroオンラインストアで販売中。

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