米、ガザ決議案に拒否権 安保理、日仏など賛成

パレスチナ自治区ガザ情勢に関する国連安全保障理事会の会合=18日、米ニューヨーク(共同)

 【ニューヨーク共同】国連安全保障理事会は18日、パレスチナ自治区ガザの人道状況改善を目指し、イスラエル軍とイスラム組織ハマスの大規模戦闘の一時停止を要請する決議案を否決した。15カ国のうち日本やフランスなど12カ国が賛成したが、常任理事国の米国が拒否権を行使した。英国とロシアは棄権した。

 ロシアのウクライナ侵攻に続き、常任理事国の特権が壁となった。多数の犠牲者を出す紛争に対応できず、安保理の存在意義が改めて問われる。

 米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は、バイデン大統領らによる外交努力の成果を待つべきだとした上で「決議案はイスラエルの自衛権に言及しておらず、失望した」と拒否権行使の理由を説明した。

 今月の議長国として決議案を提出したブラジルのフランサ・ダネセ国連大使は「またも沈黙と怠慢が打ち勝ってしまった。長期的に誰も得をしない」と落胆を示した。中国の張軍国連大使は、米国が事前に決議案の修正を要求しておらず「信じ難い結果だ」と語った。

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