【タイ】首相、「一帯一路」会議で中国との連携強調[政治]

タイのセーター首相は17~18日に開催された中国の巨大経済圏構想「一帯一路」の国際会議に出席し、インフラ・貿易・投資・観光の各方面で中国との連携を強化していく方針を強調した。17日には中国共産党の最高指導部である政治局常務委員で序列3位の趙楽際・全国人民代表大会(全人代)常務委員長と会談し、連携強化の意思を確認。きょう19日には習近平国家主席とも個別会談する。

セーター首相(左)は17日、中国の習近平国家主席(中央)が開いた晩餐会に出席=中国・北京(タイ政府提供)

セーター氏は趙氏に対し、中国建国74周年のお祝いを述べるとともに、今月初めにバンコクの商業施設で起きた発砲事件で中国人観光客が犠牲になったことに対し深い哀悼の意を表した。事件の被害者の支援を全力で行い、外国人観光客の安全確保のための対策を強化していくと約束。昨年の貿易と対タイ投資で中国が最大のパートナーだったことに喜びの意を表し、電気自動車(EV)や半導体、BCG(バイオ・循環型・グリーン)産業などでのさらなる投資を呼びかけた。

趙氏は「(陸続きの)中国とタイは親戚同然の運命共同体。戦略提携を強化することで両国関係を新たなレベルに引き上げたい」と語り、セーター氏を歓迎。東南アジア諸国連合(ASEAN)、メコン地域の両方の枠組みでタイとの多国間協力を熱望していると述べた。

セーター氏は18日に李強首相、19日に習主席とそれぞれ個別会談する。

■鉄道連結、本格化へ

セーター氏は中国国営新華社通信の取材に応じ、一帯一路が推進するインフラ建設に積極的に関わっていく方針を強調した。

一帯一路の一環で整備された高速鉄道「中国ラオス鉄道」とタイ国内の鉄道との連結改善を推進すると明言。タイ東部のレムチャバン港や空港の施設改善にも取り組んでいくと話した。

■ASEAN5カ国首脳が参加

中国メディアによると、一帯一路会議にはロシアのプーチン大統領など、140カ国・地域超から4,000人以上が参加。ASEANからはタイのセーター首相のほかカンボジア、インドネシア、ラオス、ベトナムの4カ国の首脳が出席した。

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