漁師手作りスケボー場 七尾の源内さん、半年かけ整備

源内さん(右)が設けたスケートボード場=七尾市万行町の希望の公園

 東京五輪をきっかけに人気が高まったスケートボードを気軽に楽しんでほしいと、七尾市万行町の漁師源内盛雄さん(46)が自宅近くにある公園に手作りの練習場を設けた。石川県内には競技に打ち込める場所が少なく、半年かけて斜面やピラミッド型のセクション(障害物)を用意した。9月中旬に開放してから利用者が増えており、イベントを企画して地域のにぎわいづくりにもつなげる。

 練習場が設けられたのは万行町の希望の公園内にあるコンクリート製の調整池で、今年5月から木材やコンクリートなどを使って5種類のセクションを製作。公園を管理する市や太平ビルサービス七尾営業所から設置許可を受けた上で、県スケートボード協会や七尾ライオンズクラブの協力を得て常設させた。

 スケボー未経験者の源内さんが練習場を作ろうと思い立ったのは、長男の碧(あお)月(か)さん(14)と次男の瑠月(るか)君(11)が自宅前でスケボーの練習をしていたことがきっかけだった。

 県内で競技が楽しめる場所は、東京五輪銅メダリストの中山楓奈選手(富山市出身)が練習に通っていた内灘町の施設など数カ所にしかない。志賀町に公設のスケボー場が整備される予定だが、子どもたちが気軽に使える練習場を設けようと考えた。

 セクションを設けた後、交流サイト(SNS)などを通じて七尾にスケボー場ができたことが広まり、週末には市内外から家族連れの愛好者が通うようになった。多い日には10人以上が練習しており、14日に高岡市から訪れた石黒凜平君(10)は「練習しやすいのでまた来たい」と話した。

来月にイベント

 源内さんは11月3日に第1弾のイベントとしてスケボーと自転車BMXの体験会(北國新聞社後援)を計画しており、「スケボーを楽しめる場所として定着させ、将来の五輪選手が出てくれたらうれしい」と夢を膨らませている。

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