首都圏など県外の子育て世帯をターゲットに、県が本年度初めて行う「やまがた家族まるごと移住体験モデル事業」の受け入れが、西川、庄内両町で始まった。子どもたちは町内の保育施設に通い、親はテレワークをしながら、山形での暮らしを肌で感じている。
事業は人口減少が深刻化する中、関係人口の拡大と移住につなげるのが狙い。両町と鶴岡市が実施主体となる。
西川町には東京から会社員友近豪さん(45)家族4人が15~21日の日程で訪れ、町交流センターあいべで生活している。にしかわ保育園に通う優那ちゃん(5)、旬汰ちゃん(3)の姉弟は19日、園内の畑で年長児約10人とサツマイモの収穫を体験。恐る恐る土を掘っていたが、サツマイモを力いっぱい引き抜くと「重くてびっくり」「楽しい」と笑顔を見せた。
豪さんと妻久美子さん(45)夫妻はともにテレワークをして過ごしている。久美子さんは「県内に親戚がいて、子どもに広い園庭で楽しく過ごしてほしいと思い、応募した」と語り、豪さんは「雄大な自然の中で、子どもたちがのびのび過ごせている」と満足した様子だった。町の担当者は「豊かな町の自然を肌で感じてもらえる。多くの体験者に来てほしい」と話していた。
庄内町には14~22日に1組が滞在し、年内にさらに3組が来町する予定。鶴岡市は22~28日に家族3人を受け入れる。
県移住定住・地域活力創生課の担当者は「短期滞在でも、体験者が増えれば、移住と同様の効果が生まれる。今後、県内の各市町村に独自事業として広がってほしい」としている。