「JR東海への的確な指導を」川勝平太知事は歓迎! 静岡県内の東海道新幹線停車1.5倍に⁉ リニア開業で1,679億円の経済効果

国土交通省は10月20日、リニア中央新幹線が開業することで、東海道新幹線が静岡県内に停車する本数が1.5倍に増えた場合、静岡県には10年間で1,700億円近くの経済効果が見込めるとの試算を発表しました。静岡工区の着工に慎重な姿勢を示す川勝平太静岡県知事は、新幹線の本数増加を歓迎する考えを示しています。

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<斉藤鉄夫国土交通大臣>
「静岡県内各駅の停車頻度の増加や経済波及効果など、東海道新幹線の利便性向上などのポテンシャルについて調査結果を取りまとめました」

国土交通省が20日に発表したのは、リニア中央新幹線の開業で静岡県にどれだけのメリットがあるのかを示した調査結果です。

<斉藤鉄夫国土交通大臣>
「リニアの開業は静岡県や東海エリア全体にとっても大きな効果をもたらすことが期待されます」

国交省の調査では、リニア新幹線が大阪まで開業した場合、リニアを利用する人が増え、東海道新幹線の利用客は約3割減る可能性があるとしています。

関係者によりますとリニアの開通で静岡県を通過する「のぞみ」の本数を減らし、「ひかり」「こだま」を増やすことで、計算上、県内に停車する新幹線の本数は現在の1.5倍程度に増やすことができるという考えが成り立つそうです。

<伊豆田有希記者>
「国交省の調査によりますと、静岡駅では1日に停まる新幹線の本数が現在の53本から80本に増加する見通しです」

さらに国交省の試算では、新幹線の停車回数が増えることで、静岡県外からの観光客などが増え、2037年からの10年間で1,679億円の経済波及効果が見込めるとしています。

今回の調査で新幹線が1日に停まる回数が40本から60本に増えるイメージが示された観光地の熱海では…

<観光客>
Qもし新幹線の停車本数が増えたら?
「うれしい。また、さらに来たいと思う」
<商店街の人>
「便利になるのが1番。増えるのはありがたい」

今回の調査は、静岡県に向けてリニア開業のメリットを示したもので、県が着工を認めていない静岡工区のリニア工事に理解を求める狙いがあります。

<静岡県民>
「大井川の水とかが減っちゃうとか言っているじゃないですか。そこに対する改善案がうまく出されて、結果的に静岡駅の新幹線の本数が増えるなら便利になるんじゃないかなと思います」
「新幹線を増やすのは当然ありがたい話ですけど、だからといってリニアを通すかどうかはまた別の問題だと思います」

国交省の調査に対し、リニア工事に慎重な川勝知事は、県内の新幹線の停車本数が増加する方向性が示されたことは歓迎するとした上で、国に対し、JR東海への的確な指導をお願いしたいとコメントしています。

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