対照的な二大絵師 文晁と北斎展、県立美術館で開幕 初公開含む87点、「冨嶽三十六景」全46図 公開

ギャラリートークで貴重な作品に見入る多くの来場者=21日午後1時45分、宇都宮市桜4丁目

 江戸後期に活躍した2人の絵師、谷文晁(たにぶんちょう)(1763~1840年)と葛飾北斎(かつしかほくさい)(1760~1849年)を紹介する企画展「文晁と北斎-このふたり、ただものにあらず」(栃木県立美術館、下野新聞社主催)が21日、栃木県立美術館で開幕した。

 同展は江戸絵画界の二大ブランドと評される、対照的な2人の絵師を紹介する。初公開を含む肉筆画、版画など87点を展示し、半期ずつ「冨嶽三十六景」全46図を公開する。

 この日は開会式後、橋本慎司(はしもとしんじ)副館長兼学芸課長によるギャラリートークが行われ、多くの来館者が作品を見て回った。橋本副館長は「2人はジャンルが違うが、この展示で共通点が分かると思う。貴重な作品も豊富にあるので、ぜひ見てほしい」と呼びかけた。

 友人同士で小山市から訪れた看護師上野月帆(うえのつきほ)さん(26)と小山高専4年オリビア・ラウドシクさん(23)は「冨嶽三十六景」を鑑賞し、「こんなにたくさんの作品が見られるなんてすごい」と話した。

 12月24日まで(月曜休館)。観覧料は一般千円、高校・大学生600円、中学生以下無料。

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