開業当初は全席喫煙可能でした!東海道新幹線の喫煙ルームが2024年春で廃止 60年の歴史で初めて全面禁煙に

東海道・山陽・九州新幹線で2024年春から車内の喫煙ルームの廃止が決まり、沿線の各地で話題になっています。2024年で開業から60年となる新幹線の歴史で初めての全面禁煙です。

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喫煙ルームを廃止するのは、東海道、山陽、九州のすべての新幹線で車内は全面禁煙になります。

東海道新幹線では、現在の主力車両N700系がデビューした2007年7月以来、車内の数か所に「喫煙ルーム」を設置。座席は全席禁煙としてきましたが、2024年春の喫煙ルーム廃止により、車内でたばこを吸える場所はなくなります。

近年の健康増進志向の高まりや喫煙率の低下を踏まえ、判断したということです。街の人は、どう受け止めたのでしょうか。

<たばこを吸わない人>
「自分はたばこを吸わないけれど、とてもいいんじゃないですか。空気が漂ってくるとよくないので」

<たばこを吸わない人>
Q.たばこを吸わない人にとっては?
「だいぶいいと思います」

一方、たばこを吸う人は。

<たばこを吸う人>
「新幹線に乗ると吸いたくなるのでなくなるのは心細い」
「吸いたくなる時は多いので喫煙ルームで吸わせてもらう。(なくなると)新幹線に乗るときにつらいですね」
「世の中の流れ的には納得できるところもあるかなと。吸うより吸わない方が基本はいいんでね。やめられたらいいですけどね、なかなかやめられないんですよ」

東海道新幹線が開業したのは、1964年10月1日。2024年で開業60周年です。当時、禁煙車はなく、すべての席でたばこが吸えました。映像にも灰皿が映っています。

初めて、たばこが吸えない車両「禁煙車」が登場したのは、開業から12年後の1976年。こだま号の16号車が禁煙になり、のちに1号車に変更されましたが、わずか1両だけでした。

ちなみに当時は、在来線でもたばこが吸えました。東海道線の禁煙区間は東京駅から神奈川県の平塚駅までで、静岡県内は、喫煙が可能でした。

しかし、健康志向の高まりから「国鉄は禁煙車を増やすべきだ」と署名活動が行われるなどして、徐々に禁煙車が増えていきます。

<当時のリポート>
「こだま号の中、指定席9号車から10号車に移るところです。これまで禁煙車両といいますと一番最初の1号車だったんですけれども、この10号車も禁煙車両になりました」

自由席だけだった新幹線の禁煙車が指定席にも拡大され、1986年のニュースでは禁煙車が合わせて4両になったと紹介しています。

その後、2階建て車両を連結した100系。「のぞみ号」用の車両としてデビューした300系など、新しい車両の登場や国鉄からJRに変わって禁煙車を拡大。1990年代半ばには、半数以上の車両が禁煙車になりました。

そして、2007年に運行を開始したN700系では「喫煙ルーム」が設置され、座席は全席禁煙に。

2024年春、その喫煙ルームが廃止されることで新幹線の開業から60年の歴史で初めて、すべての車内でたばこが吸えなくなります。

喫煙ルーム廃止後のスペースには非常用飲料水が配備されます。駅と駅の間で長時間停車せざるを得ない状況となった場合、ペットボトルの水を乗客に配り、災害などへの対応力を強化するということです。

今回の喫煙ルームの廃止と同時に、JR西日本の山陽新幹線では、壁などの仕切りがなく灰皿だけを置いている駅の喫煙コーナーを廃止します。一方、JR東海の静岡駅などにある仕切りで区切られた喫煙所は今後も残るということです。

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