「すごく気持ちよかった 小回りも効いて便利」電動キックボードで観光地をスイスイ!慢性的不足解消へ新たな交通手段を探せ【SDGs】

観光スポットが多い静岡県島田市ですが、バスの路線が少ないなど不便な状況が続いています。そこで、島田市は地域の新しい交通手段を探るため、一般の人を巻き込んだ実証実験を始めました。その名も「島田deスイスイ」です。

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茶畑が広がる島田市を走るのは、2人乗りの電気自動車です。

<篠原大和記者>
「一般的な軽乗用車と同じような感覚で運転できます」

いま、島田市では、この車を期間限定で希望者に無料で貸し出しています。借りる場所は、JR島田駅から徒歩で行けるガソリンスタンド。地域の新しい交通手段を探る島田市の実証実験です。

<島田市戦略推進課 藤田崇仁さん>
「島田市は駅や空港、高速道路など外部からアクセスは優れるが、市内を回る交通機関が充実していないため、自由に周遊できないことが課題になっている。新モビリティを使って観光客が市内をどのように周遊したかや新たなルートなどヒントを見つけていきたい」

世界一長い木造の歩道橋「蓬莱橋」。静岡県外からも多くの観光客が訪れる島田の人気スポットですが、JR島田駅からこの場所に向かうバスは1日2本しかありません。観光スポットが点在する島田市では、車なしで観光地を自由にめぐることが難しく、長年の課題となっています。

そこで、島田市は、地域をストレスなく、移動するための新しい手段を探るため、環境にやさしい乗り物を使って利用者の声を集める実験「島田deスイスイ」を始めました。

この「電動キックボード」は、都内を中心にシェアリングサービスが普及していて、近距離の移動手段として、注目が集まっている乗り物です。約20台を用意して、駅や観光スポットなど6か所で貸し出し、借りた場所とは、別の場所に返すこともできます。また、自転車としても使える「電動バイク」も観光案内所に5台用意しました。

10月22日、静岡市から訪れた観光客が島田市の電動キックボードを利用していました。

<利用した人>
「すごく気持ちよかったです。楽かなと思いました。小回りも効いて便利だと思う」

電動キックボードには、GPSが内蔵されていて、正確なデータを集めることができます。

<実験を請け負う西東石油 西村孝明副社長>
「電動キックボードを利用した人の軌跡をみると、平均乗車時間が約30分。平均で約5kmの移動距離。利用者は市外から来た人が多いので観光需要があると推察されている」

観光地側も移動手段が増えて、島田市に来る人が増えることに期待を寄せています。

<蓬莱橋897.4茶屋 梶山優太店長>
「バスとの組み合わせで、バスで来てキックボードで帰るとか。移動手段が増えて今後が楽しみ。(島田市が)全体的に活性化してくれるのではと思っています」

まちが一丸となって探る持続可能な交通手段。実証実験「島田deスイスイ」は12月3日まで続ける予定です。

小型の電気自動車は、最大で2日間連続で借りることができ、希望すれば、島田駅や静岡空港に配車してもらうこともできます。

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