ALS嘱託殺人事件、医師・大久保被告の初公判は来年1月に 京都地裁

京都地裁

 難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性から依頼され、薬物を投与して殺害したとして、嘱託殺人などの罪で起訴された医師大久保愉一(よしかず)被告(45)の裁判員裁判について、京都地裁は24日、初公判を来年1月11日に開くと明らかにした。判決言い渡しは3月5日に指定した。

 起訴状によると、元医師山本直樹被告(46)=嘱託殺人罪などで公判中=と共謀し2019年11月30日、京都市中京区の林優里(ゆり)さん=当時(51)=の自宅マンションで、林さんから頼まれ、胃にチューブで栄養を送る「胃ろう」から薬物を投与し、急性薬物中毒で死亡させたとしている。

 大久保被告は交流サイト(SNS)を通じて林さんとつながったとされる。「安楽死」を肯定する発言を繰り返しており、公判で事件の経緯や動機をどう説明するかが注目される。

 先行して審理されている山本被告の判決は12月19日に予定されている。これまでの公判では「(殺害の)共謀も実行もしていない」と無罪を主張し、「殺害したのは大久保被告だ」などと訴えていた。

 大久保被告は、11年に山本被告とその母親と共謀し、山本被告の父親を殺害したとして殺人罪にも問われており、嘱託殺人罪などと併せて審理される。山本被告は殺人罪で懲役13年の京都地裁判決を受け、控訴している。

© 株式会社京都新聞社