「正常な抜け毛」と「異常な抜け毛」の違いとは? 強い髪の毛を育てる3つの方法

「シャンプー中や寝起きなど、ふとしたときに抜け毛が気になる」「夫の抜け毛が増えてきて、このままではハゲてしまうのではないかと不安」などのお悩みを抱えていませんか?

抜け毛は、加齢や環境、生活習慣などが影響していることが多いですが、セルフケアで予防できる場合があります。

この記事では、注意すべき抜け毛の基準や、抜け毛を防ぐ対策方法をご紹介します。

抜け毛の多い・少ないの基準

まずは、正常な抜け毛と異常な抜け毛の判断基準をご紹介します。

1.正常な抜け毛

人の髪は、ヘアサイクル(毛周期)によって発毛と脱毛を繰り返し、少しずつ生え替わっています。1日50〜100本程度の抜け毛なら、生え替わりによって抜けているため、気にしなくていい範囲です。

具体的には、「シャンプー後やドライヤーで髪を乾かすときに数本が指に絡まっている」ような場合は、正常な抜け毛の範囲といえるでしょう。

2.異常な抜け毛

1日に100本以上の髪が毎日のように抜けている場合は、異常な抜け毛と言えます。

たとえば、「お風呂の排水溝に短期間で抜け毛がたまる」「毎朝、枕に抜け毛がたくさん落ちている」「シャンプーのときに大量の髪の毛が指に絡んでいる」「抜け毛が多く、髪が少なくなったように感じる」などの場合は、気をつけたほうがいいでしょう。

抜け毛が増える原因

抜け毛が増える原因は、主に以下の3つです。

1.加齢

加齢により髪をつくる毛母細胞の働きが低下すると、抜け毛が増えやすくなります。

また、女性ホルモン(エストロゲン)は、健康な髪の成長を促します。更年期になると、エストロゲンの分泌量が減ることで髪が細く弱くなったり成長しきらずに早く抜けてしまったりして、抜け毛が多くなるのです。

2.季節による環境変化

実は、秋冬は抜け毛が増えやすい季節です。

秋は、夏の紫外線ダメージから頭皮を守るために増えた髪が抜け落ちることで、抜け毛が増える季節といわれています。

冬は、頭皮が乾燥しやすいのでダメージを受けやすく、さらに、寒さで血管が収縮し血流量が減るため、抜け毛が増えやすい傾向にあります。

3.生活習慣や食生活の乱れ

生活習慣や食生活の乱れは、抜け毛の増加を招きます。たとえば、睡眠不足は、髪の成長に必要な成長ホルモンの分泌を低下させ、抜けやすい細く弱い髪が増える原因に。

また、食生活が乱れると、髪の成長に欠かせないタンパク質やビタミン、ミネラルなどが不足しがちになるため、抜け毛が増えやすくなります。

抜け毛を増やさないための対策3つ

抜け毛を増やさないための対策方法を3つご紹介します。

1.シャンプーやドライヤーを正しく使う

下記は、抜け毛を予防する正しいシャンプーとドライヤーの手順です。

(1)シャンプーをつける前に、37〜39℃ほどのお湯で頭皮や髪をしっかり洗う。

(2)シャンプーを手のひらで泡立ててから、泡を頭皮に塗布し、指の腹を使って頭皮をやさしくマッサージするように洗う。泡立ちが悪い場合や、洗い上がりがすっきりしないときは2度洗いをする。

(3)38〜42℃のお湯でシャンプーの3倍の時間を目安にすすぐ。

(4)ゴシゴシこすらずに、タオルで髪をはさむようにして髪の水滴を取り除く。

(5)ドライヤーを頭皮から20cm以上離して、しっかり乾かす。

上記を意識して、頭皮や髪を健やかに保ちましょう。

2.食生活の見直し

髪の毛はケラチンというタンパク質(アミノ酸)でできています。抜けにくい髪をつくるには、肉や魚、大豆製品、乳製品などから、毎日タンパク質を摂りましょう。

また、体内で合成できない必須ビタミン・ミネラルも、健康な髪に必要な栄養素のため、バランスよく摂取することが大切です。

とくに、ケラチンを生成するのに必要な亜鉛は、不足しないように気をつけましょう。日本人の食事摂取基準(2020年版)では、亜鉛の1日の摂取推奨量は18~74歳の男性で11mg、18歳以上の女性で8mgとなっています。

牡蠣やうなぎ、豚レバー、牛赤身肉、カシューナッツなど、亜鉛を多く含む食材を食べましょう。

3.漢方薬を飲む

抜け毛対策には、漢方薬の活用もひとつの方法です。漢方薬は、心とからだのバランスを整えて、健康で丈夫な髪に導きます。

抜け毛の原因には、紫外線や直射日光によるダメージ、頭皮や髪への血流量の低下、ホルモンバランスの乱れ、ストレス、睡眠不足、加齢などが考えられます。

抜け毛対策には、「血流をよくして頭皮や髪に栄養を届け、毛をつくる細胞を活性化させる」「冷えや加齢によるホルモンバランスの乱れを改善する」「自律神経を整え、ストレスを緩和したり睡眠の質を改善したりする」といった働きをもつ漢方薬を選びます。

髪や頭皮の状態を根本から改善することで、抜け毛だけでなく、白髪や髪の傷みなどにも同時にアプローチできるのもメリットです。

抜け毛におすすめの漢方薬

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

血流をよくして冷えを改善し、ホルモンバランスの乱れに働きかける漢方薬です。疲れやすく、冷え症で、貧血傾向の方に向いています。

八味地黄丸(はちみじおうがん)

からだ全体を温めて、新陳代謝を高めるように働きかける漢方薬です。疲れやすく、手足の冷えやすい方に向いています。

漢方薬は、自分の状態や体質に合わせて選択することが大切です。うまく合っていない場合、効果を感じられないだけでなく、副作用が生じることがあります。

どの漢方薬が自分に合っているのかを見極めるには、漢方薬に詳しい薬剤師の力を借りましょう。

漢方薬に詳しい薬剤師がAIを活用して個人に合う漢方薬を見極め、お手頃価格で自宅まで郵送してくれる「あんしん漢方」のようなオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。

今回は、抜け毛の原因と対策方法をご紹介しました。抜け毛が多いと感じたら、正しい頭皮ケアや生活習慣の改善をしましょう。

また、加齢やストレスなどが原因の抜け毛には、専門家に相談して漢方薬で内側からケアするのも有効です。

セルフケアや漢方薬で健やかな髪と頭皮を目指し、抜け毛を予防しましょう!

<この記事を書いた人>

あんしん漢方 ライター
円山 真由佳(えんやま まゆか)

医薬品登録販売者。ドラッグストアでの医薬品・化粧品販売を経て、市販薬の使い分け方を広めるべく執筆・情報発信を行う。美容薬学・アロマテラピーの資格を保持し、インナーケアや女性の不調ケアにも精通している。

表面的な悩みの奥にある潜在的な悩みをくみとり、対症療法ではなく根本改善を目的としたアドバイスを得意とする。

症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。

(ハピママ*/ あんしん漢方)

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