小松で登校児童クマ目撃 木場潟から3キロ、幼獣1頭

クマが目撃された市道=25日午前10時20分、小松市林町

  ●けが人なし 矢田野小、集団下校へ

 25日午前7時20分ごろ、小松市林町の市道で、登校中の矢田野小5年生男子が道路を横切るクマの幼獣1頭を見つけ、同校が小松署に通報した。けが人はいなかった。同市内では11日、今回の目撃現場から北東に約3キロの木場潟公園東園地で男性がクマに襲われて重傷を負っており、相次ぐ出没に市や住民は警戒を強めている。

 小松市によると、クマは体長1メートル以下で、下粟津町方面に逃げたとみられる。午前中、市職員と小松署員、地元猟友会員が周辺を捜索したが、クマや痕跡は見つからなかった。市は防災行政無線で林町と下粟津町の住民に警戒を呼び掛けた。

 11日、木場潟公園東園地で男性を襲ったクマは体長1.5メートルの成獣とみられており、25日のクマとは大きさが異なることから、市は別の個体とみている。

 児童が通う矢田野小は緊急の会議を開き、同日午後1時から、教職員付き添いで集団下校を行うことを決めた。児童に対しては休み時間や帰宅後に屋外で遊ばないよう指導した。

 クマが目撃されたのは、こまつドーム周辺で、付近には住宅も多い。現場近くにある五十嵐接骨院の五十嵐久智院長(58)は「大人でも恐怖を感じるので、児童はよっぽどだろう。山と住宅地の境目が曖昧になっており、できる対策はしていきたい」と話した。

 市は11日の人身被害を受け、市内のパトロールを続けている。14日以降は朝夕2時間ずつ、警備会社に委託するなどして木場潟やこまつドームの周辺を中心に巡回しており、今月末まで継続する。

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