「長崎平和特派員」に認定 レイコ・クルック西岡さん 大島ミチルさん 被爆体験の継承や核廃絶で活動

長崎平和特派員に認定されたレイコ・クルックさん(右から2人目)と大島さん(右端)

 被爆体験の継承や核廃絶に向け国外で活動する長崎市の「長崎平和特派員」に、特殊メーキャップアーティストのレイコ・クルック西岡さん(88)=フランス・パリ在住=と作曲家の大島ミチルさん(62)=同市生まれ、米ニューヨーク在住=が認定された。
 クルックさんは2013年、戦争の記憶を少女の視点でつづった自伝的小説「赤とんぼ 1945年、桂子の日記」を上梓。2020年にはフランス語版が出版され、国内外に平和の大切さを伝えている。大島さんは1995年に被爆50周年記念歌「千羽鶴」を作曲。俳優の吉永小百合さんによる原爆詩朗読活動の楽曲を手がけるなど音楽を通じた平和発信に取り組んでいる。
 24日、長崎市役所で認定式があり、鈴木史朗市長が認定証を交付した。クルックさんは「『赤とんぼ-』のような物語は、人間の愚かな行為を準備させないために繰り返し伝えないといけない。昔話ではなく今ある話だと若い人に伝えたい」、大島さんは「自分が伝えたいものは長崎で、平和をテーマに曲を書きたいと自然に思う。平和の大切さや日常の繰り返しの素晴らしさを音楽として表現していきたい」と語った。
 平和特派員の認定は、被爆65周年の2010年に始まり、クルックさんと大島さんを含め国内外の28人1団体が認定されている。

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