“ねつ造に次ぐねつ造の結果が「5点の衣類」”有罪立証は不可能と主張 弁護側冒頭陳述【速報 袴田事件再審初公判】

1966年、静岡県旧清水市(現静岡市清水区)で、一家4人が殺害されたいわゆる袴田事件の再審=やり直し裁判の初公判で、弁護側の冒頭陳述が10月27日午前行われ、「捜査機関による複数のねつ造によって袴田さんを犯人と仕立て上げたえん罪事件だ」と主張。有罪立証をただちに放棄するよう、求めました。

弁護側はまず、この事件は、▽犯人は1人ではなく、複数▽深夜の侵入ではなく、被害者が全員起きているときに侵入▽強盗ではなく怨恨▽犯人は裏木戸から逃げたのではなく、表のシャッターから逃げ、車で逃走したと考えられるなどと主張。さらに、確定判決では証拠とされている証拠のうち、複数にねつ造された疑いがあると述べました。

そのうえで、「捜査機関は無謀な取り調べを繰り返しても、満足な自白調書を作ることができず、自白調書の日時や内容を変造するなど違法行為も行ったが、自白を確実に裏付ける証拠をねつ造することができなかった。有罪判決を得られるか大いに不安になり、結局、もっと大掛かりな証拠ねつ造を行わざるを得ず、これが『5点の衣類』」だと主張しました。そして、検察は事件の全容を理解しておらず、いまからでも事件の全容を理解できれば、袴田さんの有罪立証は不可能であるとしました。

今後の公判では、検察側に対し、当時のずさんな捜査と重要証拠「5点の衣類」のねつ造について追及する方針を示しました。

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