秋の風物詩復活 柿ハザお目見え 南砺

完成した柿ハザに柿をつるす関係者=南砺市立野原東

  ●1600個つるす

 干し柿をはさ掛けして作る昔ながらの施設「柿ハザ」が27日、南砺市立野原東の市有地にお目見えした。市による復活プロジェクトで、富山干柿出荷組合連合会の協力を得て、柿1600個がすだれのようにつるされた。400年の歴史があり、かつて南砺の秋の風物詩だった干し柿の原風景を次世代に伝える。

 柿ハザは高さ約5メートル、幅約12メートル、奥行き約5メートル。市の依頼を受けた造園会社が木材で骨組み、わらの束で屋根を作った。カヤで編んだ南砺市の伝統的な雪囲い用の民具「オオダレ」が取り付けられ、雨の日はオオダレを下ろして柿を守る。

 南砺市内では昭和40年代まで、柿ハザを設けて柿を天日干しする方法が行われてきた。乾燥設備の普及に伴い、姿を消し、現在は生産者1戸のみ続けている。

 27日は田中幹夫市長が「ブランドの富山干柿を発信し、伝統的な景観を次の世代に継承したい」とあいさつ、市長や富山干柿出荷組合連合会の藤井敏一会長らが竹につるした柿をはさに掛けた。柿ハザは市クリエイタープラザ北側にあり、11月中旬まで干される。同プラザで同3、4日に干し柿づくり講座が開かれる。

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