副町長「うわさあった」 小泉志賀町長ら県警が聴取 役場、混乱の週明け

対応に追われる町職員=30日午前8時半、志賀町役場

 「警察に任意同行を求められたので行ってくる」。志賀町の発注工事で不正が行われた疑いが浮上し、小泉勝町長(57)は30日早朝、町幹部にそう言い残し、石川県警の捜査車両に乗り込んだ。主(あるじ)の来ない町役場は、臨時の課長会議を開いて事実関係や今後の対応を確認するなど週明け早々から混乱。庄田義則副町長は「うわさはあったが事実か分からない。事態がどう進展するか見通せず、町民の不安払拭(ふっしょく)に努める」と語った。

 庄田副町長によると、小泉町長から副町長に電話があったのは午前6時半ごろ。警察の車両に乗る直前だったらしく、庄田副町長は「一言だけで後は何もなかった」と漏らした。

 町役場には午前7時半過ぎから職員が登庁した。町長の任意聴取を知り「そうなんですか」と驚く職員の一方、「関与したとのうわさは流れていたが、本当にこんな事態になるなんて」と話す人もいた。

 課長会議は同8時半から開かれ、庄田副町長が状況を報告。町長が出席する予定だった会合などのスケジュール変更を確認した。30日午後の石川北部RDF広域処理組合の役員会は欠席とした。

 会議後、町長の任意聴取について問われた庄田副町長は「ある程度うわさは流れていたが、本当かどうか分からない」と説明。うわさの中身については「業者とのつながりとか、そういった話だ」と答えた。

 幹部職員らが対応に追われる一方、窓口などでは職員が普段通り淡々と業務をこなした。ただ、志賀町では2007年の細川義雄前町長時代に、町発注工事をめぐる談合事件で県警が町役場などを家宅捜索しており、当時を知る男性職員は「役場に捜索が入ることになるかもしれない。そうなれば町政のイメージがまた傷つく」と表情を曇らせた。

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