志賀町が発注した配水管工事の入札をめぐる贈収賄事件で、町長の逮捕から一夜明けた31日、町役場では11月中旬に計画していた行事を急遽中止するなど混乱が続いた。前夜の石川県警による家宅捜索で大量の資料が押収され、関係課には空きが目立つ棚も。捜索に立ち会った職員には疲労の色がにじみ、来庁した町民は不安を口にした。
庁内では朝、庄田義則副町長ら幹部職員が登庁するなり新聞を手に取り、小泉勝町長の逮捕を報じる記事を食い入るように読み込む姿が見られた。
町政トップ逮捕の影響は町の行事にも現れ出した。11月16日に中学生が町長出席のもとで議会の仕組みや役割について学ぶ「子ども議会」を中止することに決めた。
前夜の家宅捜索は5時間半に及ぶ長丁場となり、日付が変わってから帰宅した職員も多かった。最後まで立ち会った男性職員は「疲れで頭がぼーっとしている」と話した。
捜索では、捜査員が1~3階の関係箇所で机や棚をくまなく調べたとみられ、書類やメモが30箱以上持ち出された。入札を担当する企画財政課でも並ぶ資料が大幅に減った棚があり、職員は困惑気味。ただ、各種手続きなどに影響はほとんどないという。
来庁した同町高浜町の60代女性は「同じような事件が繰り返され、自分の住む町が騒がれるのは嫌だ」とため息をついた。町によると30日には、町長逮捕についての意見が電話やメールで数件寄せられた。
●容疑者宅隣接の小泉石油も捜索 妻が代表取締役
小泉容疑者宅に隣接するガソリンスタンドの捜索も31日行われ、捜査員数人が店内に入り、従業員に話を聞きながら押収物を段ボール箱に詰めた。ガソリンスタンドを運営する「小泉石油」は、小泉容疑者が取締役、妻の美穂容疑者が代表取締役を務める。