男性の育休取得、1年半で3倍超 警察内で進む「ワークライフバランス」 滋賀県警

滋賀県警、男性警察官の育休取得率

 女性警察官の割合を増やし、男性警察官が子育てに積極参加できるようにするため、滋賀県警が労働環境の改善を進めている。4月1日時点の女性警察官比率は11.4%となり、県警が独自に設けた目標値に対する達成度は95%まで上昇。男性警察官の育児休業取得率は昨年度18.3%で既に目標値を上回ったという。一方、警部以上の女性警察官が全警察官に占める割合は1%に届かず、一層の取り組みが求められている。

 県警は女性活躍推進法などに基づき、女性警察官比率を2025年度までに12%にする目標を設定している。そのため、女性対象の採用説明会を開くなどしてPRし、多様なニーズに応じられる休暇・休業制度の整備、深夜・時間外勤務の制限、通勤時間を考慮した人事配置などでワークライフバランスを図ってきた。

 21年度からは、急な呼び出しの免除や宿直勤務の負担軽減などを認める「キャリアチャレンジ支援制度」をスタート。昨年度までに育児中の女性警察官13人が利用した。

 女性警察官の比率は全国的に低く、滋賀でも近年まで10%を下回ってきたが、こうした取り組みの結果、今年4月1日時点の女性警察官は269人で、全警察官2353人の11.4%となるまで上昇した。

 男性警察官の育休取得率向上に向けては、配偶者の妊娠が判明した時点で幹部が面談を行うなどして取得を促してきた。昨年度の取得率は18.3%で、前年の7.6%から大幅に改善。25年度までに13%としている目標を達成し、本年度は8月末で26.9%に達しているという。

 一方、警部以上の女性警察官は8人で、今春に県警初の女性警視が誕生したとはいえ、全警察官の0.3%にとどまる。男性育休取得率も、25年度までに50%、30年度までに85%を掲げる政府目標には遠く及んでいない。

 県警警務課は「DVや性犯罪被害者の支援に対応するためには、女性の警察官の存在が重要」と強調し、「今後も取り組みを推進していく」としている。

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