「飛べ!みかん!」河津町の特産品が飛行機で北海道へ 「2024年問題」と販売促進へ新たな試み=静岡

静岡県河津町の特産品であるみかんを遠く離れた北海道へと運ぶトライアル輸送が行われました。その名も「飛べ!みかん!」。ドライバー不足が懸念される2024年問題を踏まえ、船と飛行機を活用した新たな物流体制の構築が狙いです。

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10月23日、河津町の共選場で出荷作業が行われていたのは、極早生品種の「ゆら早生みかん」です。皮には緑が残っていますが、高い糖度とほど良い酸味が特徴です。

<JAふじ伊豆第一共選場 土屋明浩場長>
「今回荷造りした、ゆら早生については比較的気候にも合っているということで生産が増えている状態です」

こちらの共選場では、年間約500tの柑橘類が出荷されていますが、出荷先は遠くても東京都内…。自慢のみかんをもっと遠方の人に食べてもらいたいと、今回、行政や卸売事業者が協力し、トライアル輸送を企画しました。

25日、みかんを乗せたトラックが向かった先は…土肥港。トラックのまま、フェリーに乗ります。そして、約1時間後…。

<植田麻瑚記者>
「700kgの極早生みかんを乗せたフェリーが河津町から駿河湾を渡って清水港へとやってきました」

今回のトライアル輸送は、トラック運転手の残業時間が規制される「2024年問題」に備えた取り組みでもあります。ドライバー不足が懸念される中、陸路だけではなく、フェリーと空路を組み合わせた新たな道を切り開く考えです。

1つ1つの段ボールに空輸用のステッカーを貼っていきます。

<ドライバー>
Q.トライアル輸送は重要になってくる?
「それは確かに重要になると思いますよ。なければ困る形になるんじゃないですか」

一つひとつの段ボールに空輸用のステッカーを張っていきます。長距離トラック輸送は一定以上の荷物がなければ輸送できないこともありますが、航空輸送は少量の場合でも輸送が可能です。

<静岡VF企画開発部 望月洋平次長>
「駿河湾フェリーを使うことで、乗っている時間はドライバーも休憩時間に入るということで、清水港スタートで物流を始めることができる」

新たな販売先での認知度向上と販売促進を目指し、みかんを乗せた飛行機は北海道へと飛び立っていきました。

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