物価高騰で“食べ放題”どうなる? 肉が高くて「現状厳しい」リッチなビュッフェには客足戻る「値上げの波」は止まるか

食材が高騰する中、私たちにはお得感がある食べ放題やビュッフェサービス。提供する側には物価の高騰は死活問題ですが、様々な取り組みによって低価格でお得なサービスを継続しています。

【写真を見る】物価高騰で“食べ放題”どうなる? 肉が高くて「現状厳しい」リッチなビュッフェには客足戻る「値上げの波」は止まるか

静岡市駿河区で焼肉食べ放題を提供する「感激どんどん」です。3000円程度で約100種類の肉や料理が味わえますが、生命線の肉の値上がりが続いています。

<スエヒロ レストランシステム 小長井雄介マネージャー>
「全体的に牛肉も豚肉もコロナ禍前に比べて、2~3割くらい上がっていると思う。野菜の方も、全体の1~2割高騰している。現状としては厳しいものもある」

2023年も外食産業に大きな影響を与える食材費の高騰。帝国データバンクによりますと、主要外食企業の100社の内、37社が2022年に続き、値上げを実施しています。

「感激どんどん」では、大幅な値上げをしないように毎日の仕入れる食材の量を見直したと言います。

<スエヒロ レストランシステム 小長井雄介マネージャー>
「本社があるので、必要なモノを必要な時に必要な分だけ発注できるシステムがあるので、その日に売れる売上高を綿密に考えながら発注している」

飲食業界には逆風とされる物価の高騰に負けまいと、いま活気を取り戻しているのが、ちょっとリッチなホテルのビュッフェサービスです。

静岡市駿河区のホテルグランヒルズ静岡のビュッフェレストランでは、時間制限なしで、季節ごとに約50種類の料理とデザートが食べ放題。今は、地中海フェアを開催中で、ブイヤベースや牛肉のグリルが目玉です。コロナ禍を乗り越え、2023年に入り、客が戻りつつあるそうです。

<ホテルグランヒルズ静岡 田井中章企画制作支配人>
「今まで予約をしなかった方が、しっかり予約をして来ていただいていて、来館人数が把握できるので、人が何人来るか管理を徹底するのと、残さないような量で用意をすることが大事」

2023年1月から8月の1世帯当たりの外食の支出額は、月平均で1万3000円を超え、コロナ前の2019年並みに回復していて、外食産業には追い風となっています。この追い風を活かすため、フードロスや人件費を減らし、物価の高騰に対応しています。

<ホテルグランヒルズ静岡 田井中章企画制作支配人>
「世の中的に物価の高騰は当たり前になっているので、そこにマッチしていくのが大事だと思う。(料金が)高すぎる安すぎるというのは良くないと思うので、その点を精査しながら、価格帯や内容を決めていければいい」

コロナ禍と物価の高騰で大打撃を受けた食べ放題やビュッフェ。ただ、このピンチを機にスタイルを見直すことで客も店も得をする業態に変化しています。

帝国データバンクによりますと、11月1日から131品目が値上がりします。毎月の値上げ品目数としては、2022年以降、最も少なくなり、2年続いた値上げラッシュは一段落となっています。

ただ、足元では1年ぶりに1ドル150円に到達するなど、円安基調が続いていることから、輸入品などの価格は、また上昇する懸念が残っています。

© 静岡放送株式会社