「400万円を海外に送りたい」ロマンス詐欺見抜けるか 銀行員が警戒

客から事情を聞きだす訓練をする行員(大津市馬場2丁目・滋賀銀行膳所駅前支店)

 特殊詐欺などの被害が後を絶たない中、大津署と滋賀銀行膳所駅前支店(大津市馬場2丁目)はこのほど、行員が来店客の相談内容から詐欺を見抜き、被害を食い止める訓練を実施した。

 訓練は、1人あたりの被害額が大きくなる傾向のある「ロマンス詐欺」などを念頭に行われた。同署員が客を演じ、窓口で400万円を海外に送金したいと求め、行員が理由などを聞きだすと、「アメリカの知り合いに貸してあげたい」「フェイスブックで知り合った医師で、面識はないが将来的に結婚したいと考えている」との事情が判明。同署が作成したチェックシートで詐欺の特徴に当てはまることを確認し、客を説得した。

 このほか、外国為替証拠金取引(FX)の投資名目や子どもに成りすましてのトラブル解決金名目で高額の出金・送金を求められた場合の対処法なども確認した。同支店の八木健二次長(41)は「お客様の大切な資産を守ることが金融機関の使命。最近は被害に遭う人が高齢者とは限らないので、年代を問わず警戒したい」と話した。

高額の送金をしようとする客から事情を聞きだす訓練を見守る人たち(大津市馬場2丁目・滋賀銀行膳所駅前支店)

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