石川、富山の百貨店 新幹線敦賀開業へ お歳暮商戦沿線産品充実

歳暮の早期受注コーナーを訪れた来店客=金沢市の香林坊大和

  ●大和・福井グルメ増/エムザ・駅ごとに特集

 石川、富山両県の百貨店で、歳暮商戦が早くも始まった。金沢市の香林坊大和は2日、早期受注コーナーを設け、来年3月16日の北陸新幹線敦賀開業に合わせて福井県の特産品を増やした。同市の金沢エムザは初企画として金沢―敦賀沿線のご当地グルメ14品を特集。コロナを境に、行き来が減った遠方の親戚向けに地元産品を送る傾向が強まっており、各店舗は品ぞろえを充実させている。

  ●受注コーナー開設

 香林坊大和では8階に早期受注コーナーが開設された。石川、富山の水産加工品や菓子など44品の中から3品を選ぶ「北陸こづつみ」などの商品見本が並び、午前中から次々と買い物客が訪れた。

 大和は歳暮のカタログに約1400点を掲載した。北陸新幹線敦賀開業により福井に注目が集まるとみて、「焼鯖(やきさば)寿司」や「永平寺胡麻(ごま)豆腐」など14品を用意した。

 創業100周年を記念し、カタログには日本画家の福井江太郎さんが描いたカーネーションの図柄を採用したほか、特別企画として和菓子など老舗6社の商品を特集した。

 9日にはコーナーを拡大し、試食も復活させる。担当者は「売り上げの前年超えを目指して地元産品の魅力を売り込んでいく」と話した。

 富山市の富山大和では1日に、5階ギフトサロンで予約受け付けを開始した。地酒をはじめ、かまぼこや氷見うどんなど富山の銘品を用意したほか、県産酒かすを餌とする、とやま和牛「酒粕育ち」を初めて商品に入れた。

  ●オンライン注文開始

 金沢エムザは1日からオンラインショップでの注文を受け付け、8日に8階特設会場に早期受注コーナーを設ける。15日にはコーナーを拡大してギフトセンターを開設する。

 カタログには約1100点を載せた。敦賀開業に合わせて、金沢―敦賀の新幹線駅ごとにグルメ商品を準備した。石川エリアでは金澤おでんや地酒、小松うどん、加賀棒茶など6品、福井エリアでは越前がに、越前そば、焼きサバなど8品をそろえた。石川の地酒特集を初めて企画した。

 担当者は「コロナ禍を経て、地元の物産を送りたいという声が多くなっている。新幹線金沢開業以降は金沢産品の人気が高いままだ」と話し、前年を超える売り上げを目指す。

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