チョイソコとなみ快走 全域運行から1カ月 登録千人超、利用急増

チョイソコとなみに乗り込む利用者=砺波市狐島

  ●民間停留所も市民要望で増加

 砺波市のデマンド型乗合交通「チョイソコとなみ」が市内全域で運行を開始して1カ月がたち、登録者が1100人を突破し、利用者も急増している。市民の要望で市内の事業者が設置する「民間停留所」もさらに増えた。自宅から目的地の店の前まで直接乗り付けて片道1回500円で利用できると評判は上々。対象エリアが拡大し、利便性が高まった「散居村型モビリティー」の運行は順調だ。

 チョイソコとなみは、近隣住民が予約に応じて相乗りで利用する公共交通。昨年10月から庄西、般若、庄川各中校区で運行が始まり、10月2日から出町中校区も対象に加わり、市内全域に広がった。

 市によると、利用登録者は10月末現在で1175人となり、市内全域で運行を始めた10月2日の963人から22%増えた。70歳以上の登録者は993人で全体の85%を占める。利用者数は1カ月間で467人に上り、一部地域の運行だった前月と比べて25%増となった。

 さらに、市内の事業者から応募があった「ウチマチサポーター」と呼ばれる民間停留所は、市民からの設置要望を受ける形で大型商業施設や米菓子店など3カ所が新たに加わり、140カ所となった。病院・医療機関や公共、文化、福祉施設などを含めた全停留所は258カ所となった。

 市民からは「片道500円で直接買い物に行けるようになってうれしい」(80代女性)との声が聞かれる。

 市は運行拡大から1カ月の状況について、市民ニーズの高い停留所が増えたことが要因とみており、担当者は「さらに停留所が増えて利用者も伸びてほしい」と期待を寄せる。

 夏野修市長は10月31日の会見で市営バスと連携する考えを示し「チョイソコでできることによって整理統合できるものや、市営バスが得意な時間帯やエリアも含めて再編を進めたい」と述べた。

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