豊後高田市が外国人実習生の生活サポート 官民連携し行事参加につなげる【大分県】

外国人技能実習生を支えるBIC事業協同組合の職員=豊後高田市
草地おどりを踊るミャンマーとベトナムの実習生=8月、豊後高田市の中央公園
豊後高田市の代表として県民スポーツ大会の綱引きに出場した外国人技能実習生=9月、大分市

 【豊後高田】豊後高田市は、市内に住む外国人技能実習生が日本生活を楽しみながら働けるよう努めている。2018年、実習生の受け入れ窓口などを担う管理団体を官民が連携して設立。全国的に珍しい体制でサポートし、実習生はイベントやスポーツ大会などにも積極的に参加している。長い期間、市内で働く人の増加といった効果も出ているという。

 現在、市内には約700人の外国人実習生がいる。新型コロナウイルス感染拡大による渡航制限で減少した時期を除き、増加傾向にある。実習生はベトナムとミャンマーが中心。管理団体「豊後高田インターナショナル・コントリビューション(BIC)事業協同組合」の事務局には、仕事や生活の相談に乗る日本語が堪能な両国の相談員も常駐している。

 日本での暮らしが充実するようにと、相談員らが中心となって実習生が住民と交流する機会などを設けている。

 コロナ禍が落ち着いた今年は、8月の「高田観光盆踊り大会」に踊り子として約40人、9月の県民スポーツ大会の綱引き(混合)に市代表として約20人の実習生が参加した。

 相談員のチャン・ティ・キム・ユンさん(38)=ベトナム出身、ニ・ニ・ウィンさん(31)=ミャンマー出身=は「実習生は練習にも一生懸命取り組み、豊後高田の生活を楽しんでいる。言葉の壁を越えて溶け込むことで、地域に必要とされている実感を持てているようだ」と説明する。

 事務局長の黒田紅羽(くれは)さん(46)は「市の魅力を知って、文化的な体験をしてもらうことで長く市内で働く実習生が増えている」と手応えを実感。「国内外の企業にBICの活動を説明するとき、行政の支援があることで信頼を得やすく、実績にもつながっている」という。

 市商工観光課は「貴重な働き手としてだけでなく、地域を一緒に盛り上げる住民としても実習生に期待している。今後もさまざまな行事を通じて交流を続けていきたい」と話している。

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