「どうする家康」で結城秀康役の岐洲匠さん、福井で撮影時の思い語る 松本潤さんは「背中を押してくれる存在」

トークショーの来場者と記念撮影する俳優の岐洲匠さん(前列中央)ら=11月3日、福井県の福井市順化小学校

 NHK大河ドラマ「どうする家康」で福井藩初代藩主の結城秀康役を演じる俳優の岐洲匠(きずたくみ)さん(26)と、時代考証を担当している歴史学者の平山優さん(59)らによるトークショーが11月3日、福井県の福井市順化小学校体育館で開かれた。徳川家康の次男ながら将軍の座に就くことなく、福井藩主として現在のまちの礎を築いた秀康について、岐洲さんは撮影を振り返り「演技を通じて秀康の強さを感じた」と語った。

 同市の福井商工会議所ビルで始まった「ふくい城巡りフェス」の関連イベント。約330人が来場した。平山さんは基調講演で「状況によっては秀康が2代将軍の可能性も十分あった」と強調。関ケ原の戦いでは関東に残り、家康が警戒していた会津の上杉景勝の南下を阻止。福井藩主としては加賀の前田家を監視する役目を果たし、家康や弟で2代将軍秀忠の信頼も厚かったとした。

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 岐洲さんは、34歳の若さで死去した秀康に思いをはせて「まだまだいろんなことができた人物だったのに、という自分が感じた悔しさも役に乗せて演じた」と紹介。主演の松本潤さん(40)に関しては「撮影時はとても目が鋭いが、カメラが止まると周りにやさしく話しかけ、現場のみんなの背中を押してくれる存在だった」と明かした。

 トークショー前には、福井市田ノ谷町の大安禅寺にある秀康の墓を参拝。役を演じたことに対する感謝の気持ちを込め、静かに手を合わせていた。

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