温海カブ、漬物の季節 鶴岡、漬け込み作業が本格化

冬の味覚として親しまれている「温海カブ」の甘酢漬けの作業が盛んに行われている=鶴岡市

 鶴岡市温海地域の特産「温海カブ」の漬け込み作業が、地域内の加工場で本格化している。カブは発芽の不調などで入荷量が大幅に減少しているが、品質は良好だという。作業は今月末まで続く見込み。

 温海カブの甘酢漬けは、歯触りの良さと独特の辛みで庄内の冬の味覚として親しまれている。一霞(ひとかすみ)温海かぶ生産組合(佐々木茂組合長)は先月16日に作業を始め週3回漬け込みを行う。カブを大容器に入れ塩をまぶし、翌日に天地を返し数日置き、酢と砂糖を加え2週間ほど寝かせ仕上げる。

 温海カブは病害虫除去と土壌改良のため焼き畑をして種を植える。同組合によると、今年は夏から秋にかけて乾燥と暑さの影響で、発芽が安定せず生育も悪かった。昨年二十数万トンの出荷量は3分の1まで減る可能性があるというが、佐々木組合長(75)は「辛みが好きだと言ってくれる人のためにも、少ない中でも良い物を提供したい」と語った。

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