兵庫県の天然記念物「常瀧寺の大イチョウ」モチーフ、絵馬とお守りが誕生 兵庫・丹波

「常瀧寺の大イチョウ」をモチーフに作られた絵馬とお守り=丹波市青垣町大名草

 兵庫県の天然記念物の大イチョウで知られる常瀧寺(じょうりゅうじ)(丹波市青垣町大名草)が、イチョウの葉や木をデザインに取り入れた絵馬とお守りを作り、境内で販売している。大イチョウの保護や活用に取り組むグループの協力を得て、完成させたという。(秋山亮太)

 推定樹齢約1300年の「常瀧寺の大イチョウ」は、16世紀まで七堂伽藍(がらん)があった山中にたたずむ。同寺の開祖が植えたと伝えられ、幹回りは11メートル超。枝からコブが垂れる様子が乳房に見えることから「乳の木さん」とも呼ばれている。

 古くは地元で信仰の対象だったとのエピソードに、大イチョウ周辺でのイベント開催や登山道修繕などに取り組むグループ「常瀧寺の大イチョウ再興プロジェクト」が着目。参拝や観光の記念品になるオリジナルの絵馬とお守りの制作を2年前、同寺に提案した。

 デザインが固まり、今年から販売を始めた。葉の形をした絵馬は、紅葉を思わせる黄色が目を引く。お守りは片面に落葉、もう片面に巨木の絵をあしらっている。伴知憲住職(66)は「すてきなアイデアをいただき、この寺らしいものを置くことができた」と喜ぶ。

 同グループの藤田元太代表(34)=丹波市=は「絵馬とお守りをきっかけに、大イチョウが地域で大切にされてきた歴史を知り、寺にも親しみを持ってもらえたら」と話している。絵馬は800円。お守りは500円。常瀧寺TEL0795.87.5145

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