虎ファン、日本一へ「強気の投球でがんがん押して」先発の青柳投手に願い託す 日本S最終戦

大一番を前に、青柳晃洋投手にエールを送るタイガースファン=京セラドーム大阪

 3勝3敗で迎えた日本シリーズ最終戦。阪神はエース格として期待を背負いながら、シーズンを不完全燃焼で終えた青柳晃洋投手が先発する。京セラドーム大阪でプレーボールを待つ虎ファンに、青柳投手に対する思いを聞いた。

 背番号「17」のユニホーム姿で駆け付けた会社員の女性(50)=大阪市=は、この日のチケットは手に入らなかった。しかし、居ても立ってもいられなくて、少しでも近くでエールを届けるためにドーム前に足を運んだという。

 「私、実は旧姓が青柳でして。彼が入団したときからずっと応援してるんです。年齢的にも、なんだか息子を見ているような気がして。少し頼りなさそうな表情も、努力を惜しまないところも、応援したくなるんですよね」

 今季の成績は8勝6敗、防御率4.57。「シーズンはぴりっとしませんでしたね…」。青柳投手のユニホームを着て甲子園で観戦していると「正直、肩身が狭いような気持ちになることもありました」という。

 それでも、右腕には2年連続最多勝の実績がある。「いきなりの大一番での登板ですもんね。私も緊張してきました…」と漏らしつつ「強気の投球でがんがん押してほしい。私も胸を張って堂々と応援するから!」と激励した。

 「今季は本来の力を発揮できず、ファンの厳しい声も聞こえていると思うけど、ふがいなさは本人が一番感じているはず」と気持ちを推し測るのは、富山県から車で訪れた会社員男性(33)。「今シーズンもなんだかんだ8勝はしていて、リーグ優勝に貢献はしてくれた。泣いても笑ってもこれが最後なので、思いっきり腕を振ってほしい」と期待を込めた。

 青柳投手は、東京五輪日本代表に選ばれた経験もある。「大舞台には慣れているはず!」との声もファンからは多数あがり、大阪府八尾市の会社員男性(40)は「侍ジャパンで大舞台も経験しているから大丈夫。シーズン開幕戦は青柳投手で勝っているし、青柳でスタートダッシュを切り、青柳で最高のフィニッシュを迎えさせてほしい」と願いを託した。

 対するオリックスの先発は第2戦で攻略できなかった宮城大弥投手。東京都の会社員男性(22)は、昨年の京セラドーム大阪での「青柳対宮城」の投げ合いを引き合いに、「去年京セラでは青柳が投げ勝っている。平常心で青柳らしく、内野ゴロの山を築いてほしい」とエールを送った。

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